2019年10月11日金曜日

心のストレッチ

皆さん、こんにちは。
保健師 近藤です。

明日ぐらいに大型で非常に強い台風19号が東海、関東に上陸するといわれています。
千葉の方々や、その他の地域で酷い状況にならないように望む限りです。

日曜日は、ラグビーでスコットランドとの試合です!!厳しい戦いになるみたいですが、是非とも勝って、決勝リーグにいって欲しいですね。
頑張って、応援したいと思います。

今日は、日本人の多くが抱えているストレスやうつ状態に対する対処方法としての【マインドフルネス】について話そうと思います。

マインドフルネスとは、今の自分の状態に意識を向けて心を整える技法で、伊藤先生は「自らの体験(自分自身をとりまく環境や自分自身の反応)に、リアルタイムで気づきを向け、評価や判断を加えずにそのまま受け止め、味わい、手放すこと」と定義しています。仏教の瞑想実践法をルーツとし、近年では科学的な研究が進んでいます。うつ病の再発防止や痛みの管理など、医療分野でも有効性が認められているほか、ストレスの改善に有効という報告も多くあります。

(1)自分の思考や感覚を観察すること
「私は今何を感じているだろう」「今こんなことを考えているな」と、少し離れたところから興味を持って自分の体験を見つめます。外側から自分の様子を実況する「もう一人の自分」を作るイメージです。

(2)評価や判断はしないこと
例えば、悲しみがわいてきたときに、「こんなことで悲しんでいる私はダメだ」などと決めつけてしまうのは「評価」「判断」です。そうではなく、「ああ、私は悲しいんだな」と、今の感覚をただ受け止めるようにします。

(3)一つひとつの体験を丁寧に感じ取ること
「体がだるい」と感じる場合、「大した疲れではないから気にしないでおこう」と無視するのではなく、「どの辺りがどのようにだるいのだろうか」とさらに観察を進め、じっくり感じ取るようにします。

(4)どんな体験もコントロールしようとしないこと
ネガティブな体験(感情や思考、感覚)は一刻も早く忘れたくなりますし、ポジティブな体験はいつまでも味わっていたいものです。しかし、無理やり消そうとせず、執着もせずに、それらの体験が自然と消え去っていくのをただ観察するようにします。

今回、すきま時間を使って行えるマインドフルネスのエクササイズを2つ紹介します。日替わりや週替わりで、2つのエクササイズを交互に行ってみてください。

(1)葉っぱのエクササイズ
あなたは河原にいて、目の前にある川の流れを眺めています。ゆったりとした流れに乗って、葉っぱが1枚、また1枚、と流れてきます。

この様子をイメージしながら、自分の思考や感情に意識を向けます。浮かんでくる思考をキャッチして、川を流れる葉っぱの上に1つずつ載せていく、というエクササイズです。

川の流れと葉っぱのイメージをひたすら維持し、思考を一つひとつ葉っぱに載せていくことに集中するのがポイントです。葉っぱを自分の意志で流そうとする必要はありません。川が自然に流してくれるのを眺めるようにします。川の流れる動画を見ながら行うと、イメージを維持しやすいかもしれません。


(2)レーズンエクササイズ
「1粒のレーズンを食べる」という行動を、レーズンを手に取り、観察し、匂いや重みを感じ、口の中に入れ、舌で転がし、噛み切り、飲み込む……といったように細分化してそれぞれの工程を意識的に行い、身体感覚を丁寧に味わっていくエクササイズです。

レーズンに限らず、他の食べ物で行ってもかまいません。「昼食のお弁当のお漬物1つだけ」「おやつのチョコレート1片だけ」といったように、一口分だけじっくり食べるようにするのもおすすめです。これなら日常の中でも行いやすいでしょう。

このエクササイズを行うとゆっくり食べることになるため、食べ過ぎの防止につながります。結果としてダイエット効果が得られることもあります。


マインドフルネスは、習慣化して長く続けることで効果が得られます。イライラするときや気分が落ち込んだときはもちろん、特に問題がないときでも行うことで、気持ちが安定していきます。すきま時間をうまく使って、こまめに実践してみてはいかがでしょうか??

では、台風被害が少なくてすみますように。

皆さん良い週末を。