保健師 近藤です。
先週の金曜日にブログを更新しないといけなかったのですが、すっかり忘れてまして、今日になりました。申し訳ございません。
ラグビーも決勝がイングランドと南アフリカになり、どちらが勝つのか最後まで目が離せないですね。気持ち的には、イングランドが勝ってほしいような、どちらが勝ってもいいんですが…。
11月8日は「レントゲンの日」です。ドイツのレントゲン博士がエックス線を発見した日が、1895年(明治28年)の11月8日でした。 この日をInternational Day of Radiologyとして、各国の放射線学会と連携して国際的にお祝いすることになっているそうです。
そんな今日は放射線について少し話をしたいと思います。
【放射線は身近な存在】私たちは日常的に自然放射線を受けています!!
宇宙には多くの放射線が飛び交っていて、宇宙から地球に降り注ぐ宇宙線は放射線の一種です。
さらに、大地には岩石に含まれるウランなど、空気中には岩石から放出されたラドンといったガスなど、地球上には多くの放射性物質が存在し、常に放射線を出しています。
また、食べ物にもカリウム40という放射性物質が含まれています。
カリウムは人間の体には欠かせない栄養素として、野菜などを通して体内に取り込まれますが、そのカリウム約1万個のうち1個が放射線を出すカリウム40です。
つまり、私たちは体の外から内から、日常的に放射線を受けています。
また、飛行機は空高く飛ぶほど、遮る空気の層が薄くなるため宇宙線が強くなり、乗っている人は乗らない人よりも受ける放射線の量が増えます。
また、トンネル内や地下では大地からの放射線が上下左右から出ているので、人が受ける放射線の量は地上にいるときよりも多くなります。
【細胞への影響と修復機能】人体は修復機能を備えています!!
放射線を人体に受けると遺伝子(DNA)が傷つき、障害を発生させるおそれもあります。
これは、放射線が直接DNAを切断したり、放射線により体内の水が電離してできたラジカルでDNAを切断するからです。
しかし、DNAには修復能力があるので、完全に修復されれば何の問題もありません。
ところが修復にミスがあるとがんや遺伝的影響の原因になります。
そして、DNAを修復できなかった場合、その細胞は死んでしまいます。
細胞が死んでしまった場合でも、その場所が臓器であれば増殖した正常細胞に置き換えられていくので、大きな障害は起こりません。
しかし、細胞が大量に死んだ場合は、臓器そのものが死んだり、臓器によっては人が死亡する場合もあります。
【放射線量と健康との関係】健康影響を起こす被ばく線量の目安
受けた放射線が少量の場合は、遺伝子(DNA)が持つ修復機能で回復しますが、一度に多量の放射線を受けると いろいろな症状が現れます。
例えば、被ばく線量が500ミリシーベルトを超えると白血球の減少が見られ、1,000ミリシーベルト以上になると自覚症状が現れます。そして、4,000ミリシーベルトを全身に浴びると、被ばくした半数の人たちが骨髄障害で死亡します。
線量によって重症度は変わりますが、がんや遺伝的影響(確率的影響※)は、線量を下げても発生する可能性がゼロになることはありません。しかし、がんに関しては、100ミリシーベルト以下では、自然に発生するがんと区別できないといわれています。