2019年5月31日金曜日

世界禁煙デーをきっかけに考えよう

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

今週は先週に比べ気温が下がっていますね。気温の変化に体調を崩さないようお気をつけ下さい。

今日、5月31日は世界禁煙デーです。

世界保健機関(WHO)は、平成元年に5月31日を「世界禁煙デー」と定め、喫煙しないことが一般的な社会習慣となることを目指した「たばこか健康かに関する活動計画」を開始しています。

厚生労働省においても、平成4年から世界禁煙デーに始まる一週間を「禁煙週間」としています。

今年度は、2019年7月に学校・病院・児童福祉施設等、行政機関が原則敷地内、2020年4月にそれ以外の施設等が原則屋内禁煙となることを控え、「2020年、受動喫煙のない社会を目指して~たばこの煙から子ども達をまもろう~」を禁煙週間のテーマとし、禁煙及び受動喫煙防止の普及啓発を積極的に行っています。

世界保健機関(WHO)は29日、受動喫煙が原因で死亡する人は年間100万人に上っており、5歳未満の子供も6万人以上が呼吸器感染症で犠牲になっていると発表し、各国に受動喫煙対策の強化を求めています。

受動喫煙とは



タバコの煙には、タバコを吸う人が直接吸い込む「主流煙」と、火のついた先から立ち上る「副流煙」に分かれます。
副流煙には主流煙と同じく体に有害な成分が含まれていて、ニコチン、タール、一酸化炭素などの成分量は主流煙よりも多いといわれています。

この副流煙を、自分の意思とは関係なく吸い込んでしまうことを「受動喫煙」といいます。受動喫煙にさらされると、がんや脳卒中、虚血性心疾患、呼吸器疾患などのさまざまな病気のリスクが高くなり、さらには妊婦や赤ちゃんにも悪影響を及ぼすことがわかっています。

受動喫煙が子どもにもたらす健康被害


子どもが受動喫煙から受ける健康被害は、大人以上に深刻です。受動喫煙による危険は、妊娠中からすでに始まっています。妊婦への影響としては、流産や早産のリスクが高まります。胎児の発育にも悪影響を及ぼします。


タバコを吸っていても、妊娠がわかった時点で禁煙するという女性は少なくありません。しかし、妊娠がわかる前の妊娠初期には、すでに胎児は受動喫煙の危険にさらされていることを考えると、妊娠前から禁煙することが望ましいでしょう。子どもがほしいと思った時から、夫や家族、職場の人に、禁煙を相談してみましょう。


タバコが子どもの健康と将来を奪っている


子どもの受動喫煙による健康被害は、乳幼児突然死症候群(SIDS)、呼吸器症状(せき、たん、息切れなど)・気管支炎、肺炎、中耳炎などです。なかでもSIDSは、それまで元気だった赤ちゃんが突然死亡してしまう病気です。タバコはSIDSのリスク因子であり、父親と母親が喫煙者である場合は、リスクが5.77倍になるといわれています。妊娠中のタバコのリスクも考えると、やはりタバコをやめるのが最善でしょう。
子どもが成長して成人になってからも、胎児のときの受動喫煙の影響が続くと考えられています。成人になってからの肥満、糖尿病、メタボリックシンドロームに関連があることがわかってきました。


この「世界禁煙デー」や「禁煙週間」をきっかけに、
たばこを吸う人も吸わない人も、喫煙と健康について考え、
子どもの健康と将来を守るため、禁煙しましょう。

今日も一生健命 竹田