2019年3月29日金曜日

慢性腰痛とストレス

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

新元号は4月1日昼頃公表になるようです。どんな元号になるのか気になりますね。

今日は慢性腰痛についてお話します。

腰痛について



日本整形外科学会の調査によると、日本で腰痛の人は約3000万人いると推計されています。
歩く、座る、作業をする、横になるなど、私たちは日常生活の多くの場面で腰を使って生活しています。
多くの人が腰痛に悩まされ、治りにくいのは、二本足で立って生活する私たちの動作の中心となる部位だからです。
人間の背骨はほぼ真っすぐに近いS字状で、直立歩行をする体を支えています。しかし、頭部や胴部の重さが腰に集中する上、ふだんの生活では前かがみでいろいろな動作をすることが多くあります。中腰になったとき、腰には立っているときの実に3~4倍の圧力がかかっています。


  • ひざを伸ばしたまま荷物を持ち上げる
  • パソコンを使うとき前かがみになる
  • 片足で立ったまま靴下をはく
  • シャンプーのときに大きく前かがみになる
  • うつぶせになって本などを読む
上に挙げたような姿勢や動作が多い人ほど、腰への負担が大きいため、腰痛が生じやすくなります。
また、腰の筋肉は加齢や運動不足によって衰えやすく、これまで、診察や画像検査で異常が見つからない腰痛については、こうした姿勢の悪さや筋力の低下が大きな原因と考えられてきました。

慢性腰痛とは



腰の痛みが3か月以上続く状態をいいます

慢性腰痛には腰に異常がないのに痛みが続くケースと、腰の異常が治ったのに痛みが続くケースの2タイプがあります。
腰の痛みがよくなったり、悪くなったりするのを繰り返す場合も慢性腰痛に含みます。
痛みの程度はさまざまで、なかには激痛を訴える場合もあります。
慢性腰痛は、小学生から高齢者まで幅広い年代に見られます。なかでも30~50歳代の働き盛りに多く、都会の事務職に多いことがわかっています。その理由として考えられるのがストレスです。

慢性腰痛は、腰の痛みを和らげる仕組みと関係があります。

腰から痛みの信号が脳に伝わると、脳からドパミンという神経伝達物質が放出されます。すると、脳内でμオピオイドという物質が多量に放出されます。その結果、神経伝達物質であるセロトニンやノルアドレナリンが放出され、痛みの信号を脳に伝える経路が遮断されます。この仕組みによって、腰痛などの痛みが気にならなくなったり、我慢できたりするようになります。

しかし、ストレス、うつ、不安などを長期間感じていると、脳でドパミンが放出されにくくなって、腰痛が長引いたり、わずかな痛みでも強く感じたりするようになります。

慢性腰痛の問題点は、悪循環が起きやすいということです。たとえば、精神的要因の有無をはっきりさせないまま腰痛の治療を繰り返していると、効果が出ないため治療への不満が増して、ストレスや不安が増えるという悪循環が起こります。


悪循環から抜け出すために



  1. ぐっすり眠ること
  2. おいしい食事や好きな映画や音楽など五感が喜ぶことをしよう
  3. 誰かに愚痴を聞いてもらおう。


ストレスによる慢性腰痛を何年間も抱えていると、よけいストレスに弱くなるもの。以前なら耐えられたストレス状況でもすぐに腰痛になってはね返ってきたりします。
誰にでも日頃の上手なストレス解消は大切ですが、特に"腰痛もち"の人は、心をいやす"心の処方せん"が痛みの強弱を左右することをお忘れなく!

ストレスが続くと腰痛が重症化して、仕事を休むことが多くなり、職場の人間関係まで悪くなる人もいます。こういう人こそ、腰痛は心からのSOSサインだと自覚して、まずは心のケアを。


また、運動不足で腹筋や背筋の筋力が落ちれば、ますます腰痛体質から抜けられなくなってしまいますので
ウォーキングなど適度な運動習慣も身につけましょう。

今日も一生健命 竹田