今回は、先日から話題の口腔(こうくう)がんについてです。
2~4%を占めているのが口の中にできる口腔がんです。
口腔がんには「舌がん」「歯肉がん」「口腔底がん」「頬(ほお)粘膜がん」など、いくつかの種類があります。
その中で、患者数の50~60%を占め、最も患者の多いのが舌がんです。
口の中だから鏡で見れば気付くし、違和感があるので分かると、思われがちです。
しかし実際には、口内炎だと思って放置してしまい、がんが進行してから受診するケースが多いのです。
早期発見するためには、定期的にセルフチェックをすることが大切です。
口内炎は1週間から、長くても10日程度で治ります。
2週間以上治らないときは口内炎ではないかもしれないと思って耳鼻咽喉科か口腔外科を受診してください。
口腔がんになる一歩手前の状態に「白板症(はくばんしょう)」があり、白斑のようになります。
この段階は問題ないですが、そこに赤色が混ざってくるとがんが疑われます。すぐに受診しましょう。
口腔がんは、口の中の衛生状態が悪かったり、虫歯・義歯・口の乾燥などで常に舌への刺激があることが原因のことが多いです。
また、タバコやお酒も発生原因であるといわれています。
熱い食べ物や辛い食べ物、刺激の強い食べ物も発生に関連しているようです。
1.1日にタバコを10本以上吸う
2.タバコは、葉巻やパイプが好き
3.50歳以上で、飲酒時にタバコも吸っている
4.飲酒するとすぐに顔が赤くなる
5.強いお酒が好きだ
6.歯を磨かない、入れ歯の掃除をしない
7.頻繁に舌や頬の粘膜を咬む
8.入れ歯や歯の詰め物が当たって痛い
9.偏食がある(ビタミンや鉄分不足)
10.がんになったことがある
「チェックがついた」=「口腔がんになる」というわけではありません。ただし、チェックがついた人は、つかない人に比べて口腔がんになりやすい体質であったり、または口腔がんになりやすい環境にあると考えられますので、注意が必要です。
毎月1回、口の中をセルフチェックをしましょう。
1.明るい光の下で鏡を使って見て下さい。
○唇の内側と下あごの歯ぐきを見て触って下さい
○頭を後ろに傾けて、上あごの歯ぐきとその間を見て触って下さい。
○頬の裏側の粘膜を見て触って下さい。
○下を前に出して舌の両脇、舌と歯ぐきの間をよく見て触って下さい。
○下あごから首にかけて触って見て下さい。
2.よく観察してチェックしましょう。
○白い斑点や赤い斑点はありませんか?
○治りにくい口内炎や、出血しやすい傷はありませんか?
○盛り上がったできものや固くなった所はありませんか?
○顎の下と首の脇に腫れはありませんか?
○食べたり飲み込んだりがスムーズにできますか?
口腔がんは、がんの中でも唯一肉眼で確認できます。
早期発見のため、定期的なセルフチェックを心がけて気になるときは病院を受診しましょう。
それでは、またよい1日を。山内