2021年1月8日金曜日

筋肉量アップにかかせないこと

 みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

雪が降りましたね。今日、明日とまだ寒い日が続くようです。通勤、通学など普段より注意してすごしましょう。

今日は筋肉についてお話します。

体には大小600を超える筋肉が存在し、生命活動を維持する上でも重要な役割を果たしています。 筋肉はその構造や働きの違いによって、骨格筋、心筋、平滑筋の3つの種類に分けられています。


  • 骨格筋
骨格筋(こっかくきん)とは運動して増やせる筋肉のことで、筋肉全体の約40%を占めています。関節をまたいで、2つの骨についている筋肉が伸び縮みすることで、体を動かすことができます。
  • 心筋
心臓を動かしている筋肉
  • 平滑筋
消化管や血管を動かし、消化や血流の助けをしている筋肉のことです。

筋肉の役割


身体を動かす、安定させる

筋肉の中でも骨格筋は、骨と骨をつなぐようについており、歩く、走る、座るなどの一環の動作も、筋肉が伸び縮みすることで、成り立っているのです。
また骨格筋が関節を安定させることで姿勢を保ち、正常な動きをすることができます。
人間は、常に重力の影響を受けており、体を支えるだけでも多くの筋肉を必要とし、力を出し続けています。

ポンプの役割

心臓から押し出された血液は、体の隅々までめぐって静脈を通り再び心臓に戻ってきます。
心臓から離れた場所になるほど、送り出された血液の勢いは弱まります。その時、筋肉が伸びたり縮んだりすることで、静脈に圧力がかかり、血液の循環が促進されるのです。
この作用は「筋ポンプ作用」と呼ばれ、人にとってとても重要なものです。

熱をつくる、代謝を上げる

人間は常に体温が36度から37度を保たれるようになっています。この体の熱生産の約6割を筋肉が占めています。熱を発生させることで、寒い環境下でも一定の体温を保つことができるのです。
それだけ生命維持という点においても大切な熱を発生させるため、筋肉は常に、エネルギーを消費しています。そして、その主なエネルギー源は糖質と脂質です。筋肉が多いと、この熱の発生量(いわえる基礎代謝)も増えるため、代謝がアップし、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病の予防にもつながっていきます。

筋肉・筋力が減ることのリスク


加齢にともない筋肉量が低下し、運動量が減少すると、さらに筋肉量が低下していき、老化に拍車がかかります。
同時に骨量も低下し、骨粗しょう症が進行してしまいます。体のバランス感覚も悪くなってくるので転倒しやすく、その上骨折もしやすいため、「寝たきり」になるリスクが上昇。そして寝たきりになることで、筋肉を使うことや、脳を使う機会も減り、さらに認知症リスクが上がっていくのです。

筋肉があると
・寝たきりになりくい
・転ぶことが減り、骨折しにくい
・肥満になりにくい
・認知症になりにくい
・骨が強くなる
・血糖値が安定

筋肉がないと
・起き上がるのが辛くなる
・よくつまづく、転ぶ
・サルコペニア肥満になりやすい
・認知症のリスクが高まる
・骨粗鬆症のリスクが高まる
・生活習慣病になりやすい

筋肉量アップの食事


1.一日に必要なタンパク質をとる

筋肉の源となるアミノ酸は、普段の食事からタンパク質という形で摂っています。1日に必要なタンパク質の量は、年齢、体格、生活習慣や運動量によっても違いますが、厚生労働省が推奨している量は以下の通りです。

男性(18歳~):60g/日
女性(18歳~):50g/日
「日本人の食事摂取基準(2015年版):厚生労働省」

2.体内のアミノ酸濃度を保つ


摂取したタンパク質は、アミノ酸に分解され体内に吸収されます。食事から摂取するタンパク質が不足して、体内のアミノ酸濃度が落ちてしまうと、せっかくついた筋肉のタンパク質が分解されて利用されてしまうことにもなります。朝・昼・晩、3回の食事でバランスよく、タンパク質を摂るように心がけましょう。

3.ビタミン、ミネラル、糖質も大切


タンパク質の合成・分解に必要なビタミンB6をはじめ、タンパク質の働きをサポートするビタミンやミネラルもとても大切です。
ですから、アミノ酸スコアの高い肉や魚、大豆製品など良質なタンパク源の食材+野菜や海草類、またきのこ類なども上手に組み合わせていきましょう。
また、筋トレ時にはエネルギー源として糖質も必要不可欠です。
体内の糖が不足してしまうと、エネルギー不足の状態になってしまいます。そうすると、筋肉のタンパク質が分解されて、エネルギーとして消費されてしまうため、筋肉をつけようと思っておこなったトレーニングで、筋肉を痩せさせてしまうことにもなりかねません。


筋力アップの運動

1.オーバーロード(過負荷)

トレーニングの効果を得るためには、既に持っている能力を刺激できる負荷が必要です。その刺激でき得る負荷以上(過負荷)でトレーニングを続けることにより、効果が表れます。まずは、ちょっとだけ「つらいかも!」と思う負荷でやってみましょう。

2.可逆性・反復性


一定期間トレーニングを実施してその効果が得られても、トレーニングを止めてしまうと、体はもとに戻ってしまいます。まずは、慣れるまで週に2回3ヶ月をチャレンジしてみましょう。
トレーニングの効果を得るには、繰り返し行う必要があります。まずは、週に2回から始めてみましょう。

3.特異性・自覚性

トレーニングはその種類によって鍛えられる機能が変わってきます。なりたい自分に合わせてトレーニングの種類を選びましょう。
トレーニングを行う場合は、鍛えている部位や自らの意志で行っていることを自覚することでよりトレーニングの効果が向上します。どこに効くのかを明確にしながらやってみましょう。

今日も一生健命 竹田