皆さん、こんにちは。
保健師 近藤です。早いもので、今週で1月が終わり、2月がはじまります。
今年は2月3日は『立春』となっております。立春はどういう日なのか、これは一年を24等分した『二十四節気』における一つ目の節気です。二十四節気のはじめの節であり、暦の上ではこの日から春がスタートするとされています。
旧暦では、1年のはじまりは立春からと考えており、立春を基準に色々な決まりごとや行事があるぐらい、とても重要な日だったと考えられます。
寒さはまだまだ続きそうですが、最近はなんとなく春が待ちどうしい気がします。
今日は、そんな寒い日に起こりやすい『ヒートショック』についてです。
ヒートショックとは、気温の低い屋外から暖かい屋内への移動や、暖かい部屋から寒い部屋への移動などによる急激な環境温度の変化によって、血圧が上下に大きく変動することをきっかけとして起こる、健康被害の総称です。
●ヒートショックが起こりやすいのは入浴時
ヒートショックは、特に冬季の入浴時に起こりやすいことが知られています。
暖房をしていない脱衣場や浴室では室温が極端に低くなりがちで、こうしたなかで衣服を脱ぐと、急速に体表面から体温が奪われて血管が収縮し、血圧が急激に上がります。
→温かい湯船に入れば、今度は血管が拡張して、血圧が急激に下がります。
このような入浴に伴う温度差が血圧を大きく上下させるために、失神や心筋梗塞、脳梗塞が起こったり、その結果として湯船で溺れ、命を落としてしまうこともあるのです。
●影響を受けやすい人・65歳以上である
・高血圧、糖尿病、動脈硬化がある
・肥満、睡眠時無呼吸症候群、不整脈がある
・浴室に暖房設備がない
・一番風呂が好き
・熱い風呂が好き
・飲酒後にお風呂に入ることがある
・30分以上お湯に浸かっている
【予防のポイント】
脱衣所と浴室を温める
暖かいリビングから脱衣所に移動した際の温度変化を軽減するために、暖房器具を置くなどの工夫をしましょう。浴槽にお湯が溜まっている場合にはふたを外しておくと浴室の温度を上げることができます。また、一番風呂は浴室が十分に温まっていないので、なるべく避けるようにしましょう。浴室を温める方法としてシャワー給湯があります。シャワーを使って給湯することで浴室の温度が15分間で10℃上昇します。
お風呂の温度は低めに設定
お風呂の温度が42℃以上になると、心臓に負担をかけることが知られています。41℃以上になると浴室での事故が増えると報告されているので、38~40℃に設定して入浴することが勧められています。また、入浴する際は手や足などの心臓から遠い場所にかけ湯をして体をお湯に慣れさせましょう。首までお湯に浸かることも心臓に負担をかけるので、浸かるとしても胸のラインくらいまでにしてください。
ゆっくりとお風呂から出る
お湯に浸かっているときは、体が温められ、血管が弛緩して血圧が低下しています。その状態で急に立ち上がると、脳まで血を運ぶことができず、めまいを起こしたり、失神することがあります。お風呂から出る時はゆっくり立ち上がることを心がけましょう。飲酒後は血圧が下がることが知られていますので、飲酒後の入浴は避けましょう。入浴前には水分を摂取しておきましょう。
高血圧や血圧の変動がある方などは、お風呂に入るときはヒートショックには気をつけましょう。
では、皆さん良い週末をお過ごし下さい。