2020年1月11日土曜日

上手く油を選ぶには?

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。一日更新が遅くなりました。みなさん年末年始はゆっくり過ごせましたか?天気が良く、過ごしやすいお正月でしたね。

今日は油の選び方についてお話します。

油とは?


人間が生きていくために欠かせない3大栄養素は、炭水化物、タンパク質、そして油(脂肪)です。この3つの中でも、油のカロリーは1gあたり約9kcalと最も高いため、日々の食事では健康のために油の摂り過ぎに注意している人も多いかもしれません。
油の摂り過ぎは肥満などの原因になりますが、一方で人間が活動するためのエネルギー源として欠かすことはできません。

油の主な成分は脂肪酸です。油にはバターやゴマ油、牛脂など様々な種類がありますが、その成分はいずれも「脂肪酸」です。脂肪酸は、炭素と水素と酸素の3種類の原子で構成され、その構造によって分類され、その働きも異なります。
脂肪酸は分類方法によって、「飽和脂肪酸」と「不飽和脂肪酸」の大きく2つに分けられます。


1.飽和脂肪酸
飽和脂肪酸は一般的に肉や乳製品に多く含まれる酸化しにくい油で、体にとって重要なエネルギー源です。不足すると血管がもろくなり、脳出血を起こすリスクがある一方、摂り過ぎるとLDL(悪玉)コレステロールや中性脂肪を増やし心疾患のリスクが高まります。また、心筋梗塞や、肥満、糖尿病を招く危険性があります。
飽和脂肪酸は、結合する炭素の長さによって、短鎖脂肪酸、中鎖脂肪酸、長鎖脂肪酸に分類されます。

  • 短鎖脂肪酸酢:バターなど 
  • 中鎖脂肪酸:ココナッツオイルなど 
  • 長鎖脂肪酸:ラード、牛脂など 


2.不飽和脂肪酸

不飽和脂肪酸はエネルギー源でもあり、体の各種細胞膜の重要な構成成分です。
大きく一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)、多価不飽和脂肪酸(オメガ6系、オメガ3系)と分けることができ、その種類によって様々な働きがあります。一般的に飽和脂肪酸に比べ酸化しやすく、特に多価不飽和脂肪酸は加熱調理には向いていません。

  • オメガ9系:オリーブオイル、アボカドオイル、アルガンオイル、カメリアオイルなど
  • オメガ6系:べに花油、コーン油、グレープシードオイル、コーン油、ゴマ油など
  • オメガ3系:エゴマ油、アマニ油などEPA青魚などDHA

選び方は?


必須脂肪酸であるオメガ6系とオメガ3系脂肪は体内で合成できないため、食べ物から摂取しなければなりません。しかし現代は外食や加工食品などを食べる機会が増えており、コーン油やべにばな油などのオメガ6系の油の過剰摂取でアレルギー疾患や動脈硬化が心配されています。
本来オメガ6系:オメガ3系=4:1の比率で摂取するのが望ましいとされていますが、現代人の食生活ではバランスが崩れ、オメガ6系:オメガ3系=10:1になるとも言われています。オメガ6系を控え、オメガ3系のエゴマ油、アマニ油を積極的に摂取しましょう。
         


  • エゴマ油:エゴマとは一年草のシソ科植物で、「ごま」とは全く異なるもの。オメガ3脂肪酸が約60%含まれています。 色は製法により様々で、商品によってにおいも異なります。α-リノレン酸を豊富に含んでいることが特徴。

  • アマニ油:アマニ(亜麻仁)は、亜麻科植物の種子(仁)のこと。オメガ3脂肪酸が約60%含まれ、商品によってにおいも色も異なるようです。特徴は脂肪酸総量100g当たり、59.5gのα-リノレン酸が含まれていることです。
αリノレン酸を摂取すると、その一部が体内でDHAやEPAに変化します。DHAやEPAは青背魚にも多く含まれているもので、血液中の中性脂肪を減らして血液をサラサラにしてくれ、高血圧動脈硬化心疾患や脳卒中などの予防にも効果のあることが認められています。また、アレルギーを抑えてくれることも知られています。

摂取のポイント

どちらも熱に弱く、酸化しやすい油です。開封したら冷蔵庫で保存し、できるだけ早く使い切るようにしましょう。
ドレッシングに混ぜるなど加熱せずに食べるのがおすすめ。野菜ジュースやヨーグルト、味噌汁やスープに加えたり、カルパッチョやおひたしにかけるなどといった使い方を選ぶといいでしょう。アマニ油やエゴマ油には健康効果の高い成分が多いといっても、油なので高カロリー。一度に大量に摂取するのではなく、小さじ1~2杯程度を毎日摂る方がいいでしょう。

様々な種類の油をうまく選んで摂取し、健康に役立てましょう。

今日も一生健命 竹田