2018年11月7日水曜日

糖尿病と血管

こんにちは、山内です。

糖尿病は、気づかないうちに血管を傷つけてしまいます。

糖尿病がこわいのは、血糖値が高くても、初期にはほとんど自覚症状がないことです。

そのため、健康診断などで「血糖値が高め」と指摘されても、ついそのままにしてしまいがちです。

しかし、血糖値が高い状態が長く続くと、やがて全身の血管が傷んで、様々な血管の病気を招きます。つまり糖尿病は「血管病」とも言えるのです。


太い血管が傷つくと、傷ついたところにコレステロールなどがたまり「プラーク」とよばれるかたまりができ、血流が悪くなります。

プラークが大きくなり破裂すると血栓ができて、血管がつまってしまい脳梗塞や心筋梗塞などがおこる可能性が高まります。

細い血管が傷つくと、網膜症や腎障害、神経障害などがおこる可能性が高まります。

腎臓では、血液中の不要な物を尿の中に排泄し、必要なものは再吸収して血液中の物質のバランスを維持しています(ろ過機能)。

しかし高血糖が続くと、腎臓はダメージを受けてろ過機能が落ちてしまい、病気が進行すると腎不全になってしまいます。そうなると機能を補うために透析治療が必要となります。

高血糖によって眼の網膜にある毛細血管が傷つけられると出血や網膜剥離によって視覚障害が起きてしまいます。
自覚症状がないまま進行することが多く、視覚障害が進行すると失明に至ります。

細い血管が傷害されて血流が悪くなると、神経細胞への血液の供給が途絶えてしまうため、自律神経にも障害がおこります。痛みを感じにくくなっているため、足の傷ややけどに気づかず壊疽になってしまうことがあります。



自分は大丈夫と思っていても、治療をおろそかにしていると起こる可能性があります。

血糖値が高いけれど、治療をきちんとされていない方は、血糖コントロール、合併症予防の治療に取り組むことが大切です。

糖尿病の治療の基本は、食事・運動療法です。
また、様々な種類の薬があり、状態にあわせて処方されます。

薬を正しく服用して、その上で食事・運動に気をつけないと病気は改善しません。

健診で高血糖を指摘された場合は、大丈夫だろうとそのまま放置せずに早めに病院を受診しましょう。

それでは、またよい1日を。山内