2022年6月29日水曜日

脂質異常症

 みなさん、こんにちは。

保健師 曽我です😀

この前梅雨入りしたと思ったのに、四国も梅雨が明けましたね🌞

6月とは思えないような猛暑日が続いていますので、上手にクーラーも活用しながら、体調管理お気をつけください。


今回は、健診で指摘されることの多い”脂質異常症”についてお話していきます。



健診においては4種類の脂質検査を行っております。


①中性脂肪:中性脂肪は糖分(主食・アルコール・甘い物)の取りすぎや運動不足で増え、悪玉のLDLコレステロールを増やし動脈硬化を進めることにつながります。


②総コレステロール:総コレステロールはホルモンや細胞膜の材料になります。多すぎると動脈硬化を起こす原因になります。


③HDLコレステロール:HDLコレステロールは血管にたまった悪玉のLDLコレステロールを肝臓に持ち帰る働きがあるので善玉コレステロールといわれています。


④LDLコレステロール:高値のまま放置すると、動脈硬化がすすみ、脳梗塞や心臓病の原因になります。


★脂質異常症とは

「悪玉」のLDLコレステロールや血液中の中性脂肪が必要以上に増えるか、または「善玉」のHDLコレステロールが減った状態のことです。

脂質異常症は、それだけでは特に症状が現れることはありません。では、脂質異常症の何が悪いのでしょう。

―それは、LDLコレステロールが必要以上に増えることで、気がつかないうちに血管が傷つけられ、静かに動脈硬化が進行することで脳や心臓の怖い疾患につながるおそれがあるからです。


★脂質異常症の原因

発症には、過食、運動不足、肥満、喫煙、アルコールの飲みすぎ、ストレスなどが関係しているといわれています。特に、お腹の中に脂肪がたまる「内臓脂肪型肥満」の方はLDLコレステロールや中性脂肪が多くなり、HDLコレステロールが少なくなりやすい傾向があります。

また、遺伝的な要因によって起こる「家族性高コレステロール血症」と呼ばれているものもあります。このタイプは、遺伝性ではないタイプのものに比べてLDLコレステロール値が著しく高く、動脈硬化が進行しやすいことが知られています。親や祖父母、兄弟など血のつながったご家族に脂質異常症や55歳未満(男性の場合)または65歳未満(女性の場合)で心筋梗塞を起こした方がいる場合、家族性高コレステロール血症の可能性が高いため、まず、ご自身のLDLコレステロール値を確認してみましょう。


★脂質異常症の治療

脂質異常症の治療は通常、食事療法と運動療法から開始します。

🍙食事

☆レンコン、ブロッコリーなどの野菜、バナナ、りんごなどの果物(抗酸化作用を持つビタミンCやE、βカロチン、活性酸素を除去してくれるポリフェノールを多く含む)

☆青魚(イワシ、サンマなど)、寒流を泳ぐ魚(サケ、タラなど)(含まれているEPAやDHAが中性脂肪を減らす)

☆きのこ、豆類、海藻(食物繊維がコレステロールを減らす)

☆オリーブオイル(悪玉のLDLコレステロールだけを減らす)

☆大豆製品(抗酸化作用があり、LDLコレステロールや中性脂肪を減らす)

⚽運動

運動することにより、動脈硬化の予防によい効果が得られます。特に、ウォーキングや水泳など、酸素を取り込みながらゆっくり少しずつ力を出す「有酸素運動」は、「善玉」といわれるHDLコレステロールの上昇に役立ちます。


🏥薬物療法

薬物療法は、食事療法と運動療法を行っても脂質管理の目標値が達成できない場合、もしくは持っている危険因子が多く、動脈硬化や動脈硬化による疾患を起こすリスクが高い場合に開始されます。

危険因子を多く持つ方や、検査を受けて遺伝性の要因による家族性高コレステロール血症と診断された方は、動脈硬化が進行するリスクが高いので、すぐに薬物療法を始めることがあります。


脂質異常症は、症状が出ないのでそのまま放置している方も多い疾患です。

今一度、健診結果を確認して、日常生活の改善に役立ててください。


本日もお読みいただきありがとうございました。

曽我