2022年6月24日金曜日

呼吸筋にもストレッチを

 みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

梅雨入りしたものの、暑い日が続いていますね。急に暑くなると、身体が暑さに慣れておらす、熱中症の危険が高くなります。疲れを感じる前にこまめに休憩をとり、徐々に暑さに慣らしていきましょう。


今日は呼吸筋ストレッチについてお話します。

呼吸筋とは


肺は自ら広がったり、縮んだりすることはできず、肺の周りの筋肉(横隔膜・内外肋間筋・胸鎖乳突筋・斜角筋・腹直筋・腹斜筋など)がはたらくことで肺が広がったり縮んだりします。

呼吸に使われる筋肉(呼吸筋)は、主にお腹の中にある横隔膜と肋骨の間にある肋間筋です。横隔膜が縮むと胸腔が広がり、肺の中に空気が入って息を吸うことができます(吸気)。反対に横隔膜が緩んで風船がしぼむように胸腔が縮むと、肺の中の空気が押し出され息を吐くことができます(呼気)。特に、息を吸い込むときの最大の筋肉である横隔膜を鍛えることで呼吸筋が強化されます。





呼吸筋が衰えると


加齢とともに呼吸筋や肺の弾力性が衰えると、息を吐いた後に肺の中に残る余分な空気の量(残気量)が増えていきます。すると、新たな空気がしっかり吸えなくなり、息苦しさを感じたり、浅くて速い呼吸になったりします。

こうして空気が十分に入ってこなくなると、体はエネルギーをうまく生み出せなくなり、臓器の働きや代謝が低下してしまいます。その結果、「疲れやすい」「胃腸の調子が悪い」「眠れない」などの不調や病気を招くことに。

さらに呼吸が衰えると自律神経が乱れるため、少しのことでイライラしたり、落ち込んだり、心の不調も抱えやすくなります。


呼吸筋ストレッチとは

呼吸機能を改善させる方法として呼吸筋ストレッチ体操があります。

吸息筋(息を吸うための筋肉)と呼息筋(息を吐くための筋肉)は連携しながら息を出し入れしているため、バランスよく鍛えることが大事です。呼吸筋ストレッチを行うと、呼吸筋はしなやかな動きを取り戻し、深くゆったりと呼吸できるようになります。
こうした呼吸機能の改善効果に加えて、深い呼吸を心掛けることで不安を軽減する効果も期待できます。



呼吸筋ストレッチ体操


肩の上げ下げ
息を吸う筋肉(吸息筋)を鍛えます。3~6回を目安に行いましょう。

1.鼻から息をゆっくり吸いながら、肩を上げていく(肩を上げたとき、かかとが地面から離れないように)
2.口から息をゆっくり吐きながら、肩を後ろに回して下ろす(肩の力を抜いて動かす)

背中・胸のストレッチ
吸う筋肉を鍛えます。3~6回を目安に行いましょう。

1.胸の前で両手を組み、ゆっくり呼吸する。
2.鼻から息をゆっくり吸いながら、背中を丸め、腕を前に伸ばしていく(お腹をへこませ、大きなボールを抱えるようなイメージで)
3.口から息をゆっくり吐きながら、元の姿勢に戻す(重心をかかとに置いて、ひざを軽く曲げると体が安定する)

胸壁のストレッチ
吐く筋肉を鍛えます。3~6回を目安に行いましょう。

1.腰の後ろで両手を組み、鼻から息をゆっくり吸う。
2.口からゆっくり息を吐きながら、両腕を下へ伸ばしていく。元の姿勢に戻し、ゆっくり呼吸する(手を後ろに引き下げながら胸を張るような体勢で。無理な場合は後ろ手を組まずに行う)


ストレッチは仕事の合間など、いつ行ってもOKです。毎日続けることで姿勢が良くなり、呼吸も自然と深くゆっくりしたリズムに。その結果、感情も安定しやすくなるといった効果が期待できます。

なお、血圧が高い方は過度に行うと血圧が上昇する可能性があるので、主治医に相談して心地よいと感じる程度で実施することを心がけてください。

姿勢を改善して、体も心もリフレッシュしましょう。


今日も一生健命 竹田