2020年9月25日金曜日

ドライマウスに要注意

 みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

9月も後半になり、すっかり季節は秋ですね。まだ日中は暑い日もありますが、気温差に注意して過ごしたいものです。

今日はドライマウスについてお話します。

ドライマウスとは、さまざまな原因により主に唾液の分泌量が少なくなり、口の中が乾燥状態となることです。
唾液量が少なくなると口腔内に細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因ともなります。また、唾液分泌が減らなくても乾燥感やのどの渇きを感じる場合もあり、これらもドライマウスに含められます。

若年者では少ない病気ですが、50歳以上で多くなります。
日本では口の乾きを感じている人が、数百万人~数千万人いると推測されています。また、ドライマウスの原因が全身的な内科疾患に起因するケースも考えられ、適切な診断が必要となります。



                

ドライマウスの自己チェック

  • 水をよく飲む
  • 夜中に乾きで目が覚める
  • 乾いた食物が噛みにくい
  • 食べ物が飲み込みにくい
  • 今までと味が違う
  • 口の中がネバネバする
  • 入れ歯で歯ぐきが傷つく


原因は?


種々の原因が挙げられ、幾つかの原因が重なっていることもあり、また明らかな原因がわからない場合もあります。
これら原因の中で最も多いのは薬剤の副作用とされています。とくに循環器用薬と精神科用薬が多く、これらと他の因子が重複すると、口腔乾燥を生じやすくなります。
このため、ドライマウスでは全身疾患の既往や服用薬剤について詳しく調べる必要があります。
全身疾患としては糖尿病や腎臓疾患、さらにシェーグレン症候群などがあげられます。シェーグレン症候群は自分の免疫細胞が分泌腺(唾液腺や涙腺などですが、これら以外にも関節炎や間質性肺炎などを起こすこともあります)を非自己と誤認して、攻撃・破壊する自己免疫疾患の一つです。
また、精神的ストレスも影響するので、規則正しい生活や運動、バランスのとれた食事、周囲との十分なコミュニケーションなども重要です。


対策は?

  • 唾液腺マッサージ

唾液は三種類のタンクから分泌されます。

耳下腺(じかせん)、顎下線(がっかせん)、舌下線(ぜっかせん)の三種類です。ここからちょうど良い粘り気の唾液が、分泌されます。ちょうど顎のラインに添って、耳の下や首の近くにありますから、手で適度にグリグリとマッサージをしたり顎を動かしたりします。舌で口の中からマッサージするのも効果的です


  • 舌回し運動で唾液分泌

舌を口の中でぐるぐると大きくまわしたり、上下の歯茎の根元を舐めるように動かします。たったこれだけです。日に何回行ってもかまいません。顎下腺(がくかせん)、耳下腺(じかせん)、舌下腺(ぜつかせん)の三つの唾液腺が刺激され、すぐに唾液の分泌を感じられるでしょう。


  • ガムを噛む

できれば甘くないタイプのガムにしましょう。ドライマウスの方は虫歯になりやすいので甘いガムだとさらに口腔内の環境が悪くなってしまうことがあります。酸っぱい成分は唾液がよく出ますので、梅の味やレモン味、またはクエン酸入りのものもおすすめです。またガムを噛むだけでなく、歯茎と唇の間にある唾液腺の部分にガムを詰めておくと刺激となり、唾液が出やすくなる方もいます。


  • よくかんで食べる
噛む回数を増やすことで、唾液の分泌量が増加します。良く噛む必要のないファーストフードのような食事が中心になると、唾液の分泌量が少なくなり口が乾きやすくなるので要注意。噛みごたえがあって、唾液分泌につながるような食事を摂るように心掛けましょう。


  • 水分補給

口の中は常に潤った状態がベストです。軽い渇きを感じる程度ならこまめに水分補給をしてください。唾液の分泌を促進するようにガムを噛むこともおすすめです。
食事や間食をする際は、唾液の分泌を促す働きのある「梅干」や「こんぶ」を取り入れてみましょう。


ドライマウスは口臭の原因、虫歯の原因につながる不快なものです。飲んでいる薬の副作用でない場合は、舌の運動をしたり、ほかの病気が隠れていないか内科、口腔外科、歯科で検査をしたりしましょう。唾液の少ない人はぜひ対策を!