2020年7月3日金曜日

社会的時差ぼけを解消

みなさん、こんにちは

保健師 竹田です。

雨続きで、朝晩肌寒い日もあるようです。体調に変化がおきやすい時期ですが、免疫力を下げないように規則正しい生活を心がけましょう。


今日は社会的時差ぼけについてお話します。

休日が続いたときや土曜日や日曜日に、ゆっくり休んだはずなのに、勤務日に体がだるいと感じることはありませんか?
それは「社会的時差ぼけ」のせいかもしれません。社会的時差ぼけがあり、生活が「夜型」になると、体調不良だけでなく、2型糖尿病や肥満、うつ病などの発症リスクも上昇します。解消するために日常生活で工夫することが大切です。




週末の夜更かしや朝寝坊が時差ぼけの原因に



仕事のある平日は定刻に起きていても、休日に遅くまで寝ていると、疲れが思ったようにとれないという経験はありませんか?
睡眠習慣の乱れによって「体内時計」が狂い、肥満や2型糖尿病、うつ病などの発症リスクが高まる危険性があるという研究が発表されました。

睡眠や体温、血圧、ホルモン分泌など体の基本的な機能はおよそ24時間のリズムを示しています。この1日周期のリズムは「概日リズム」と呼ばれ、概日リズムを調整している「体内時計」は、生活習慣から大きな影響を受けています。
休日はいつもより遅くまで寝ているなど、平日と休日で生活パターンに時差があると、平日に時差症状が出る場合があります。不規則な生活などが原因で、体内時計と生活時間との間にずれが生じるのが「社会的時差ぼけ」です。


食事で体内リズムを正常化


人間の身体は、24時間のリズムで変化しています。活動や睡眠といった目に見える変化だけでなく、朝が来ると血圧と心拍数が上がりはじめ、昼には血中のヘモグロビン濃度が高くなり、夕方には体温が上がり、夜には尿の流出量が増えます。これらは体内時計の働きによるものです。
これまで体内時計は主に光によって同調されていると考えられてきましたが、最近の研究では食事がもっとも強い同調因子として働いていることが分かってきました。
毎朝規則正しく朝食を食べることで、体内リズムが正常化し、肥満やメタボリックシンドローム、2型糖尿病、冠動脈心疾患の予防・改善につながる可能性があります。


夜型は体内時計が乱れやすく


生活が「朝型」の人は、「夜型」の人に比べ、健康状態が良い傾向があることが、英国人を対象とした研究で確かめられています。
生活が夜型の人は朝型の人に比べ、死亡リスクが10%高く、糖尿病のリスクは1.3倍に、うつ病などの精神疾患のリスクが1.9倍にそれぞれ上昇しました。
生活リズムが乱れやすい人は、肥満やメタボリックシンドロームのリスクも高いことが分かりました。生活が夜型になることで社会的時差ぼけが生じ、体内時計のリズムが乱れやすくなると考えられています。

社会的時差ぼけを防ぐために


1.快眠は規則正しい生活から

規則正しい生活によって、体内時計がホルモンの分泌や生理的な活動を調節し、睡眠に備えて準備してくれます。これは自分の意志ではコントロールできないため、体内時計を整え体を睡眠に導くために、毎日同じ時刻にベッドに入ることが重要です。

2.朝食をきちんと食べる、夜遅くに食事しない

体内時計を整えるために規則正しい食事が重要。食事で摂取した食べ物が消化・吸収されるまでに2~3時間が必要となるため、夜遅い時間に夕食をとると胃の消化活動が活発になり、大脳皮質や肝臓の働きが活性化し、結果として睡眠が妨げられます。

3.適度な運動が良い睡眠をもたらす

日中に体をアクティブに動かし運動する習慣のある人は、質の良い睡眠を得られるという調査結果があります。1日30分のウォーキングなどの運動を続けましょう。運動の習慣化は、睡眠の質を高めるだけでなく、2型糖尿病や肥満の対策・予防にもつながります。

4.入浴して深部体温をあげる

寝る少し前に体の奥の体温である「深部体温」をいったん上げると、その後に下がって、眠りに入りやすくなります。就寝1~2時間前に入浴すると深部体温が上がり、その後に睡眠に入りやすくなります。

5.光で体内時計を整える

朝に太陽光を浴びると体内時計が24時間周期にリセットされます。起きたらまずカーテンを開けて、自然の光を部屋の中に取り込むと効果的。
反対に夜に強い光を浴びると睡眠が妨げられます。夜の光には体内時計を遅らせる作用があり、時刻が遅くなるほどその力は強まります。照度が100~200ルクスの家庭照明であっても、長時間浴びると体内時計が乱れる原因になるので注意。

6.寝る前にスマホを使わない

スマートフォンやタブレット端末、パソコンの画面にも注意が必要。スマートフォンなどの画面に含まれるバックライトには波長の短いブルーライトが含まれており、体内時計に影響を与えます。スマートフォンは目のすぐ近くで操作するので特に影響が強いため、寝る前にはスマートフォンを操作しないようにしましょう。


今日も一生健命 竹田