保健師 竹田です。
梅雨が明け、毎日暑い日が続いています。暑さに慣れないうちは、熱中症に、より注意が必要です。こまめな水分・塩分補給と早めの休息をこころがけましょう。
今日は副鼻腔炎についてお話します。
日本耳鼻咽喉科学会では、昭和36年以来毎年8月7日を「鼻の日」と制定して鼻疾患に対する啓発を行っています。
鼻は上気道の入り口にあって呼吸および嗅覚機能を行う重要な器官です。頻度の多い鼻の病気には、アレルギー性鼻炎、副鼻腔炎、嗅覚障害、肥厚性鼻炎、鼻中隔弯曲症などがあり、多くの人々がこのような鼻の病気にかかって悩んでいます。
このうち、副鼻腔炎は、軽症化の傾向にありますが、依然、頻度としては多い疾患です。しかし、薬剤の進歩や内視鏡手術の普及により治癒率が向上しています。
副鼻腔炎とは
鼻の中は「鼻腔」と「副鼻腔」とで構成されています。副鼻腔炎とは、鼻腔の周りにある副鼻腔が炎症を起こす病気です。副鼻腔は、顔の左右にそれぞれ4個ずつ、合計8個あり、その中には空気が入っていて、小さな穴で鼻腔とつながっています。副鼻腔の表面には薄い粘膜があり、粘液を出しています。さらに、線毛という小さな毛がたくさん生えていて、粘液を鼻腔のほうへ押し出す役割を果たしています。
種類と症状
副鼻腔炎には、「急性副鼻腔炎」と「慢性副鼻腔炎」とがあります。急性副鼻腔炎は、主に細菌やウイルス感染が原因で起こり、症状は1カ月ほどで治まります。風邪などで細菌やウイルスに感染すると、鼻腔が炎症を起こして鼻腔と副鼻腔をつなぐ穴がふさがることがあります。穴がふさがると、鼻腔への粘液排出がうまくいかなくなり、副鼻腔内の粘液に細菌やウイルスが繁殖して膿がたまり、急性副鼻腔炎を引き起こします。
副鼻腔の中で膿がたまると、腫れて眼や頬のあたりに痛みを感じるといった症状が出ます。また、膿が鼻水と一緒に出てくるため、透明ではない黄色のネバネバとした鼻水が出るという特徴があります。
一方、慢性副鼻腔炎とは、急性副鼻腔炎が長引いたり繰り返されたりして、その症状が3カ月以上続く副鼻腔炎のことを指します。
近年話題になっている副鼻腔炎で、「好酸球性副鼻腔炎」というものがあります。
好酸球とは、アレルギー性鼻炎や喘息などアレルギー反応に関わる白血球の一種です。アレルギーを持つ人がかかりやすく、効果の高い薬はステロイドのみですが、ステロイド治療を止めると元に戻ってしまう傾向が強いのが特徴です。
近年、アレルギー性鼻炎患者の増加によって、好酸球性副鼻腔炎を発症する人が増えてきていますが、根治が難しく、現在も研究が続けられています。
副鼻腔炎チェック
□ 風邪をひいた後、鼻水・鼻づまりがなかなか治らない
□ 濁ったどろどろの鼻水が出る
□ 鼻水がいやなにおいがする
□ ほっぺたの辺りが痛い
□ 目の奥辺りが痛い
□ おでこや頭が痛い
□ 熱がある
□ においがわからなくなってきた
□ 濁ったどろどろの鼻水が出る
□ 鼻水がいやなにおいがする
□ ほっぺたの辺りが痛い
□ 目の奥辺りが痛い
□ おでこや頭が痛い
□ 熱がある
□ においがわからなくなってきた
風邪の症状との区別が難しいかもしれませんが、鼻水の状態や痛みの有無・部位に留意し、少しでも気になる症状があったら、できるだけ早めに医療機関を受診しましょう。
まずは副鼻腔炎にならないよう、また、なってしまったら悪化させないよう、以下のポイントに気をつけてください。1.風邪をひいたら無理しない
副鼻腔炎を予防するには、まず風邪を引かないようにすることが大切です。ふだんからバランスの取れた食事と、規則正しい生活を心がけましょう。
もしひいてしまったら無理をせず、十分な休養と睡眠を取り、治療に専念してください。風邪をひいたら、まずこれをしっかり治し、副鼻腔炎に移行しないようにすることが大切です。
2.症状があるときはお酒を控える
風邪をひいているときにお酒を控えるのはもちろんですが、これは鼻づまりの症状を悪化させないためにも大切です。お酒を飲むと血行が良くなるため、鼻がつまっているときは、よけいにつまりやすくなってしまうのです。鼻づまり感があるときは、お酒は控えるようにしましょう。
3.ときどき鼻洗浄を
特に好酸球性副鼻腔炎の人で、手術後の人は、鼻洗浄がオススメです。鼻洗浄をしたほうが再発が防げ、現状を維持できることがわかっています。鼻洗浄は何の副作用もなく、風邪予防や花粉症対策にもなるので、好酸球性副鼻腔炎でない人やまだ副鼻腔炎にかかっていない人も、試してみてください。
4.市販の点鼻薬はほどほどに
市販されている点鼻薬の多くは、鼻づまりを解消するための血管収縮薬で、即効性はあるものの、何度も使っているとだんだん効かなくなるうえ、鼻の粘膜が腫れてくるという難点があります。薬によって起きたこのような症状は、「薬剤性鼻炎」と呼ばれています。市販薬は、鼻がつまってどうしても眠れない、といったときに少し使う程度はよいのですが、使い続けるのはNG。早めに病院を受診し、きちんと治療を受けるようにしましょう。
今日も一生健命 竹田