保健師 竹田です。
年末になり、忘年会シーズンですね。飲みすぎ、食べ過ぎに注意して、今年一年を万全の体調で締めくくりましょう。
今日は依存症についてお話します。
依存症とは
特定の何かに心を奪われ、「やめたくても、やめられない」状態に陥ることです。
依存症には2種類あります
依存症の種類は大きく分けて2種類あります。
「物質への依存」と「 プロセスへの依存」です。
アルコールや薬物といった、精神に依存する物質を原因とする依存症状のことを指します。
依存性のある物質の摂取を繰り返すことによって、以前と同じ量や回数では満足できなくなり、次第に使う量や回数が増えていき、使い続けなければ気が済まなくなり、自分でもコントロールできなくなってしまいます(一部の物質依存では使う量が増えないこともあります)。
「プロセスへの依存」
物質ではなく特定の行為や過程に必要以上に熱中し、のめりこんでしまう症状のことを指します。いつも頭から離れないなどの特徴がだんだんと出てくることです。
どちらにも共通していることは、繰り返す、より強い刺激を求める、やめようとしてもやめられない、いつも頭から離れないなどの特徴がだんだんと出てくることです。
やめられない理由は
私たちが物事を考えたり感じたりできるのは、脳の中で神経細胞がさまざまな情報伝達を行っているからです。
しかし、アルコールが体内に入ると、脳に侵入し、情報伝達の働きに影響を与えます。
アルコールだけでなく、薬物でも同様ですが、これらの物質を摂取すると、私たちの脳内ではドパミンという快楽物質が分泌されます。
この快楽物質が脳内に放出されると、中枢神経が興奮し、それが快感・よろこびにつながります。この感覚を、脳が報酬(ごほうび)というふうに認識すると、その報酬(ごほうび)を求める回路が脳内にできあがります。
回復することは可能
いったん報酬(ごほうび)を求める回路が脳内にできあがってしまうと 、脳を以前の状態に戻すことは難しいと言われています。
止め続ける生活を続ければ、問題のない社会生活を営むことも可能となります。
止め続けるには飲酒や薬物使用、ギャンブルなどをしたいときにどのように避けるか、飲酒や薬物使用、ギャンブルなど以外のことをする時間をどのように増やすかが大切です。
一人で抱え込まない
依存症とは、脳内に報酬(ごほうび)を求める回路ができあがり、コントロール喪失に陥ってしまい、 ほどほどにできなくなる脳の病気と言われています。
また、家族が何かをしたから止めさせられるものでもありません。
依存症の問題を抱えた人同士でミーティングや情報交換を行いながら、回復を目指していく自助グループに参加するという方法や、リハビリ施設を利用する方法もあります。
保健所や精神保健福祉センターに相談すれば、自助グループやリハビリ施設についても教えてもらうことができます。