2022年4月15日金曜日

更年期症状はありませんか

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

新年度が始まり、早いもので半月が経ちました。新しい環境に少し慣れてきた頃でしょうか。オンオフの切り替えを意識して、のんびりする時間も作ってみてくださいね。

今日は更年期障害についてお話します。

更年期とは



更年期に関する調査では「更年期特有の症状のために、仕事で悩みを抱えたり、職場トラブルや労働問題にあったりした」とした人は37%に上り、症状が原因で会社を休んだ人のうち、「何らかの不利益な取り扱いを受けた」という人は29%いました。

日本人の平均閉経年齢は約50歳ですが、個人差が大きく、早い人では40歳台前半、遅い人では50歳台後半に閉経を迎えます。閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを「更年期症状」といい、その中でも症状が重く日常生活に支障を来す状態を「更年期障害」と言います。

更年期障害の主な原因は女性ホルモン(エストロゲン)が大きくゆらぎながら低下していくことですが、その上に加齢などの身体的因子、成育歴や性格などの心理的因子、職場や家庭における人間関係などの社会的因子が複合的に関与することで発症すると考えられています。




症状は


  • のぼせ・ほてり・発汗
  • 肩こり
  • 疲れやすい
  • 頭痛
  • 腹痛・腰痛
  • 不眠
  • イライラ
  • 動悸・息切れ
  • うつ状態・不安
  • めまい

更年期付近から注意したい病気


生活習慣病のリスクが上昇

閉経以降は女性ホルモンの保護がなくなり、「脂質異常症」「動脈硬化」「糖尿病」「高血圧」など生活習慣病へのリスクも高まっていきます。
動脈硬化は、心筋梗塞や脳梗塞など、重大な病気を引き起こす危険因子であるため、特に閉経後の女性はこれまで以上に注意が必要です。

骨粗しょう症

更年期を迎えると、エストロゲンの急減によって骨代謝のバランスが崩れ、閉経後、1年に2%ずつ骨量は減り、10年後には20%も減少するといわれています。
若い時に蓄えた骨の量が減少して骨がもろくなり、骨折リスクが高まります。
閉経後にはなるべく早く骨密度測定を受けましょう。

更年期の対策


食生活のケア

更年期の女性に適した食事や食生活とはどんなものか?というとやはり「バランスのよい食事」が一番大事です。

オススメしたいのがご飯と味噌汁に、魚料理、おひたし、煮物などを組み合わせた「和食」。1日1、2回は意識して魚料理を取り入れ、緑黄色野菜を使った副菜を手の大の小鉢で昼夜1皿ずつ加えるとバランスもよくなります。

運動

適切な運動習慣が更年期にも有効であることが明らかになってきました。更年期障害を有する女性において自転車エルゴメーターによる運動、ウォーキングや水中歩行で「更年期症状の重症度を表す指数が、運動前に比べて明らかに下がった」という結果が報告されています。海外でも同じくウォーキングを中心とした有酸素運動やヨガでも効果があったという結果が出ています。

運動の頻度は1週間に3~4回が望ましいですが、日頃運動していない人はあまり無理をせず、各自の体調に合わせて行い、徐々に回数を上げていけば大丈夫です。大切なのは続けることです。運動時間は運動の強度によっても異なりますが、できれば1日あたり30~60分程度行い、1週間の合計が140~160分になるように目標を立てるとよいでしょう。

アロマセラピー

アロマセラピーは、エッセンシャルオイル(精油)を用いて、その香りを楽しんだり、リラックスしたり、さらに病気の治療や症状の緩和などのための補完・代替医療の1つです。
アロマセラピーでは、更年期障害に対して、エストロゲン様作用を持つエッセンシャルオイルを用いると良いようです。
クラリセージには、酢酸リナリル、リナロール、スクラレオールなどが含まれており、これらの成分には女性ホルモン様作用があります。

更年期の症状がある方は、まずかかりつけの婦人科で相談しましょう。


今日も一生健命  竹田