みなさん、こんにちは
保健師 竹田です。
6月も中旬を過ぎ、蒸し暑い日も増えてきました。朝晩、肌寒い日もあるので体温調節に気をつけてお過ごし下さい。
今日は耳のトラブルについてお話します。
子どもの頃に中耳炎と診断され、治療したという経験は、多くの方が持っているのではないでしょうか。しかし、大人になると耳の病気は日常的なものではなくなり、ふだんはあまり意識することがないかもしれません。
ところが、大人がかかる耳の病気は意外とたくさんあり、しかも、ひとたびかかったら、急いで治療しないといけないようなものもあります。初期段階で起こる症状や、治療時の注意点を知り、いざかかってしまったときのために備えておきましょう。
大人がかかる耳の病気の大半において、そのカギとなる症状は「難聴」です。ここで注意しなければならないのは、難聴というとまったく聞こえない状態をイメージする人が多いのですが、ちょっと聞こえにくいという程度でも難聴だということです。
また、耳鳴りは難聴とは別物と考えている人が多いですが、耳鳴りも難聴が引き起こす症状の一つです。同様に、飛行機に乗ったときに感じるような耳が詰まった感じを、専門用語で「耳閉感」といいますが、これも難聴の一つです。聞こえにくさ、耳鳴り、耳閉感はいずれも難聴の症状であると覚えておいてください。
突発性難聴
大人がかかる耳の病気のなかで最も多く、注意を要するのが「突発性難聴」です。ある日突然、片耳に難聴の症状が起こり、場合によっては、めまいを伴います。難聴やめまいが現れたら、できるだけ1週間以内、遅くとも2週間以内に耳鼻科を受診してください。
なぜ早く受診しなければいけないかというと、音を感じる神経である「有毛細胞」が障害を受けた場合、10日から2週間の間に神経変性が起こってしまうからです。神経変性は一度起こると元に戻らず、聴力も戻りません。
そのため、早めの受診が大切です。早期にきちんとステロイド薬などを内服または点滴すれば、基本的に1~2週間で治ります。原因ははっきりわかっていませんが、ストレスや疲労などが引き金になるとされています。
加齢による難聴
病気ではありませんが、加齢にともなって難聴が進むのが「加齢性難聴」です。
しかし、かなり個人差が大きく、90歳でもまったく難聴がない人もいれば、30代後半から起こる人も。耳鳴り、耳閉感を訴える人が多いですが、特徴は、基本的に両耳に起こるということです。「歳だから」とあきらめて放置すると、認知症などを併発しやすくなるおそれも。早めに耳鼻科を受診し、必要に応じて補聴器などの使用を検討することをオススメします。