2021年6月18日金曜日

耳のトラブル

 みなさん、こんにちは

保健師 竹田です。

6月も中旬を過ぎ、蒸し暑い日も増えてきました。朝晩、肌寒い日もあるので体温調節に気をつけてお過ごし下さい。

今日は耳のトラブルについてお話します。

子どもの頃に中耳炎と診断され、治療したという経験は、多くの方が持っているのではないでしょうか。しかし、大人になると耳の病気は日常的なものではなくなり、ふだんはあまり意識することがないかもしれません。

ところが、大人がかかる耳の病気は意外とたくさんあり、しかも、ひとたびかかったら、急いで治療しないといけないようなものもあります。初期段階で起こる症状や、治療時の注意点を知り、いざかかってしまったときのために備えておきましょう。

大人がかかる耳の病気の大半において、そのカギとなる症状は「難聴」です。ここで注意しなければならないのは、難聴というとまったく聞こえない状態をイメージする人が多いのですが、ちょっと聞こえにくいという程度でも難聴だということです。

また、耳鳴りは難聴とは別物と考えている人が多いですが、耳鳴りも難聴が引き起こす症状の一つです。同様に、飛行機に乗ったときに感じるような耳が詰まった感じを、専門用語で「耳閉感」といいますが、これも難聴の一つです。聞こえにくさ、耳鳴り、耳閉感はいずれも難聴の症状であると覚えておいてください。

突発性難聴


大人がかかる耳の病気のなかで最も多く、注意を要するのが「突発性難聴」です。ある日突然、片耳に難聴の症状が起こり、場合によっては、めまいを伴います。難聴やめまいが現れたら、できるだけ1週間以内、遅くとも2週間以内に耳鼻科を受診してください。
なぜ早く受診しなければいけないかというと、音を感じる神経である「有毛細胞」が障害を受けた場合、10日から2週間の間に神経変性が起こってしまうからです。神経変性は一度起こると元に戻らず、聴力も戻りません。
そのため、早めの受診が大切です。早期にきちんとステロイド薬などを内服または点滴すれば、基本的に1~2週間で治ります。原因ははっきりわかっていませんが、ストレスや疲労などが引き金になるとされています。

加齢による難聴


病気ではありませんが、加齢にともなって難聴が進むのが「加齢性難聴」です。
しかし、かなり個人差が大きく、90歳でもまったく難聴がない人もいれば、30代後半から起こる人も。耳鳴り、耳閉感を訴える人が多いですが、特徴は、基本的に両耳に起こるということです。「歳だから」とあきらめて放置すると、認知症などを併発しやすくなるおそれも。早めに耳鼻科を受診し、必要に応じて補聴器などの使用を検討することをオススメします。


加齢性難聴を予防するポイント 

1.耳に優しい生活を心がける

●大音量でテレビを見たり音楽を聴いたりしない
●工事現場やコンサート、パチンコ店など大きな音を発する場所を避ける
●イヤホンで大きな音を聞かない
●騒音の中で仕事をしている方は耳栓をする
●静かな場所で耳を休ませる時間をつくる
●騒音が激しい場所に住んでいる場合は、窓に防音ガラスもしくは防音カバーをする。または背の高い家具を置く

2.血流をよくする食事

耳の血液の流れが悪くなると、脳への神経伝達が十分にできず、難聴を進行させてしまう可能性があります。血液の流れをよくするには、ビタミンを含む食べ物を積極的に摂りましょう。食事のみで摂取することが難しい場合は、ビタミン剤を飲むこともひとつの方法です。
特にビタミンB12には、傷ついた末梢神経を修復するといわれています。ビタミンB12はレバー、あさり、しじみ、さんまなどに多く含まれています。またDHAが豊富に含まれる魚類や野菜類、老化を防ぐ成分を含むウナギやタラ、卵などから摂ることができます。
また、生活習慣病の予防が大切なので、カロリー控えめで栄養バランスがとれた食事をして、腹八分目を心がけることも大切です。

3.生活習慣病を改善する

糖尿病を患っている方は、加齢性難聴を悪化させるといわれています。また、動脈硬化や高血圧などがあると、内耳や脳の血流が悪くなり、聞こえにくくなるともいわれます。生活習慣病のある人は適切に管理し、病気を悪化しないようにしましょう。

4.ストレスをためない

騒音などは身体の中に酸化ストレスを増加させ、正常な細胞の組織を壊してしまうため、難聴を起こしやすくなります。趣味を楽しんだり、気分転換をしたりしてストレスを発散しましょう。
その他、適度な運動をする、禁煙をする、十分な睡眠をとることも効果的です。


今日も一生健命  竹田