2020年11月6日金曜日

糖尿病週間に生活の振り返りを!

 みなさん、こんにちは

保健師 竹田です。

だんだんと朝晩の冷え込みが厳しくなってきましたね。空気も乾燥しています。基本のうがい、手洗いはしっかりと、加湿にも気をつけてお過ごし下さい。

11月9日から11月14日は糖尿病週間です。

全国糖尿病週間は、「世界糖尿病デー」の11月14日を含む一週間の中で、糖尿病に関する知識と理解を深め、その予防と早期発見・治療を促進するためのさまざまな啓発活動などが実施されます。



糖尿病とは


糖尿病は、インスリンが十分に働かないために、血液中を流れるブドウ糖という糖(血糖)が増えてしまう病気です。インスリンは膵臓から出るホルモンであり、血糖を一定の範囲におさめる働きを担っています。

血糖の濃度(血糖値)が何年間も高いままで放置されると、血管が傷つき、将来的に心臓病や、失明、腎不全、足の切断といった、より重い病気(慢性合併症)につながります。また、著しく高い血糖は、それだけで昏睡などをおこすことがあります。


血糖とインスリン


私たちが食事をすると、栄養素の一部は糖となって腸から吸収されます。寝ている間など、食事をしない時間が続くときには、主に肝臓により糖が作られています。糖は血液の流れに乗って、からだのあらゆる臓器や組織へめぐります。

血液中をただよい、筋肉などの細胞までたどり着いた糖は、同じく血液中に流れていたインスリンの助けを借りて細胞に取り込まれます。取り込まれた糖は、私たちのからだが活動するためのエネルギーの源となります。

インスリンの働きによって、細胞の前まで到着した糖はすみやかに細胞の中に入り、糖は血液中にあふれることなく、血液中の糖の濃度は一定の範囲におさまっています。


糖尿病になるとインスリンが十分に働かず、血糖をうまく細胞に取り込めなくなるため、血液中に糖があふれてしまいます


症状は?


症状がなく糖尿病になっていることに気がついていない方も多くいます。糖尿病では、かなり血糖値が高くなければ症状が現れません。

  • 喉が渇く、水をよく飲む
  • 尿の回数が増える
  • 体重が減る
  • 疲れやすくなる

糖尿病の種類


  • 1型糖尿病
1型糖尿病では、膵臓からインスリンがほとんど出なくなる(インスリン分泌低下)ことにより血糖値が高くなります。生きていくために、注射でインスリンを補う治療が必須となります。この状態を、インスリン依存状態といいます。

  • 2型糖尿病

2型糖尿病は、インスリンが出にくくなったり(インスリン分泌低下)、インスリンが効きにくくなったり(インスリン抵抗性)することによって血糖値が高くなります。

2型糖尿病となる原因は、遺伝的な影響に加えて、食べ過ぎ、運動不足、肥満などの環境的な影響があるといわれています。

すべての2型糖尿病患者の方に生活習慣の問題があるわけではありませんが、血糖値を望ましい範囲にコントロールするためには、食事や運動習慣の見直しがとても重要です。飲み薬や注射なども必要に応じて利用します。


食事で上手に予防


糖尿病の予防や改善には、食事の自己管理が大きなウエートを占めています。食べすぎないことはもちろんですが、血糖値を上げない食事の方法などを知っておきましょう。


間食をしない

間食をすると血糖値の高い状態が続き、インスリンを分泌するすい臓に大きな負担がかかります。また、その状態のままで次の食事をすると、食後高血糖の原因にもなります。

血糖値を上手にコントロールするには、間食はできるだけしないこと。とくにケーキ類などの甘いものや果物、清涼飲料水などは、血糖値を急上昇させるのでひかえめに。

野菜や海藻などから食べる

食事のメニューには血糖値を上げやすいもの(脂肪分の多い肉類、ご飯、パンなど)と、そうでないもの(野菜、キノコ類、豆類、海藻類など)があります。野菜などから食べ始めると、血糖値の上昇がゆるやかになります。

また、野菜や豆類などで少しお腹をふくらませておくと、肉類やご飯の量を減らすこともできます。

腹八分目にする

慢性的な食べすぎは、余分なブドウ糖をつくり、糖尿病を発症させる最大の原因となります。いつもお腹いっぱいに食べないと満足できない人は、注意が必要です。とくに脂肪分の多い肉類の食べすぎは、カロリーの取りすぎにつながりやすいので、量を少しひかえるようにし、毎日続けて食べるのも避けましょう。
外食の場合、洋食類は全般にカロリーが高めなので、魚を中心とした和食の定食ものを選ぶようにします。

ゆっくり食べる

早食いは食べすぎの原因となるほか、急激な血糖値の上昇をまねき、すい臓に負担をかけます。ひと口入れたら、箸を置くクセをつけ、意識的にゆっくり食事をすることを心がけましょう。

アルコールはほどほどに

アルコールには一時的にはインスリンの働きを改善する効果がありますが、長期間飲んでいると逆にインスリンの分泌量が低下することがわかっています。また厚生労働省研究班の調査では、男性の場合、やせた人たちほどアルコールの影響が大きいという報告もみられます。
いずれにせよアルコールの慢性的なとりすぎは、糖尿病の発症リスクを高めることを知っておきましょう。

今日も一生健命 竹田