皆さん、こんにちは。
保健師 近藤です。
今日は暖かく、風も強く11月とは思えない変な天気です。
新型コロナの感染が都内では新たに500人を超え、愛媛も10人の感染を認めたり全国的に急増をしています。気を引き締めて、免疫を高めながら過ごさないといけないなと思います。ストレスを溜めずに、早寝が一番です!
今日は、大腸憩室について話しをしたいと思います。
大腸憩室症
大腸壁に5~10㎜の袋状のへこみ(憩室=けいしつ)ができた状態です。通常は1㎝程度のものがほとんどですが、大きなものでは開口部が2㎝を超えることもあります。
憩室症とは憩室と呼ばれる風船状の袋が大腸に多数できる状態で、大腸の最後の部分であるS状結腸に最も多くみられます。憩室の大きさは、大半で直径約2.5ミリメートル程度のものから2.5センチメートルを超えるものまで様々です。原因は不明ですが、非常に大きくなるものもあり、直径は最大約15センチメートルにも達します。
発生部位によって左側型、右側型、両側型に分類されます。日本では右側型、S状結腸に起こりやすいといわれていますが、加齢に伴い左側結腸に憩室ができる割合が増加し、さらに近年では高齢者で両側に形成されるケースが増加しています。
憩室は、腸管壁の強さと腸管内圧のバランスが崩れたために生じます。大腸には細かな血管が壁を貫くように走行しており、血管貫通部は圧力に弱いと言われています。欧米型の食生活で食物繊維の摂取が低下し、糞便量が少なくなった結果、糞便を送り出すために腸管運動が過度に亢進し、腸管内圧が高まります。圧に耐えられなくなった血管貫通部は外に膨らみ憩室が出来上がります。
大腸憩室は筋層(消化管壁は粘膜、粘膜下層、筋層、奨膜という4層構造です)を貫くように突出するため壁が薄くなっており、トラブルが生じやすくなっています。
<症状>
多くの場合は無症状で、大腸内視鏡検査時などに偶然発見されることがほとんどです。
大腸憩室出血を合併する場合は痛みを伴わない血便を呈し、大腸憩室炎を合併する場合は腹痛および憩室部位に限局した圧痛、発熱、吐き気、嘔吐、筋性防御、腫瘤(しゅりゅう)形成などの症状が現れます。穿孔して腹膜炎を起こすと敗血症やショックのおそれがあるため、緊急処置を要します。
憩室自体は危険なものではありません。実際に、ほとんどの憩室症の人では症状がみられません。しかし、憩室症では痛みを伴う原因不明のけいれんや排便障害がみられることがあります。
<合併症>
憩室症の合併症は、喫煙者、肥満の人、低繊維食の摂取者、非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)の使用者でより多くみられます。
最も一般的な合併症は以下のものです。
憩室炎
消化管出血
憩室炎は、憩室に炎症や感染が起こっている病態で、腹痛が生じ、炎症が起こっている憩室の周囲に膿がたまって膿瘍ができることがあります。憩室に穿孔(穴)が生じると、液体や細菌が腹部に漏れ出し、腹膜炎と呼ばれる非常に深刻な病態を引き起こします。
憩室から腸内に出血することもあります。出血に痛みは伴いませんが、量が多くなることがあり、結果として直腸より血液が排出される場合があります(消化管出血を参照)。ほとんどの場合、出血は自然に止まります。ただし、中には、出血を止めるために内視鏡を用いるか、手術をしなければならないことがあります。輸血が必要なほど出血が重篤になることもあります。
憩室は原因がわからないので、誰でもなる可能性はあります。大腸内視鏡検査や腹部CT検査などでないとわからないので、機会があれば受けてもいいと思います。
週末は、コロナの影響で自粛ムードにもなりそうですが、適宜気分転換を図って、ストレスは溜めないように3連休をお過ごし下さい。
では、皆さんよい週末を。