毎日暑い日が続きますね。
新しい生活様式になり、マスク着用する機会が多いです。熱中症にも十分お気をつけ下さい。
受診に来られる方に毎日、問診をお伺いしておりますが、やはり疲れるや疲れがとれないなどの訴えをよく聞きます。
今回は、疲れについてです。
長時間の運動や仕事を続けると、誰でも疲れが出てきます。
心身に負荷がかかると、
・副交感神経機能の低下
・酸化ストレスの増加
・修復エネルギー産生の低下
・サイトカインによる炎症と神経伝達機能の抑制
という反応がおき、これらが疲労を起こしています。
こうした疲労は末梢疲労と中枢性疲労に分類することができます。
末梢疲労とは、運動を続けたときに起りやすい筋肉などの疲れです。
中枢性疲労は脳が疲れを感じている状態です。
長時間の考え事や精神的な緊張状態が続いたときに、脳の調整能力が十分に働かなくなって疲労を感じるようになります。
その他、食生活の乱れや不規則な生活、運動不足が疲労の原因になっていることもあります。
十分な休息や睡眠をとることで疲労を回復できる場合は、生理的な疲労で、病的な疲労とは言えません。
疲労回復するために、
1. 良質な睡眠をとる
睡眠は脳や体の休息時間であり、疲労を回復させるために一番重要です。
質の良い睡眠をとるために、
① 適度な運動をする
② 入浴で体を温めリラックスする
③ 眠る3時間ほど前までに食事を済ませる
2. バランスのとれた食生活に気をつける
3食バランスよく、ゆっくりよく噛んで食べることが大切です。
糖質、脂質、タンパク質のバランスに加え、ミネラルやビタミン類もしっかり摂りましょう。
疲れているときは、ビタミンB群やカルシウム、鉄といったミネラルは特に意識して摂ると良いでしょう。
ビタミンB群は、エネルギーの代謝に重要な機能を持っています。
カルシウムは、骨だけではなく細胞の機能を正常に保つために必要で、不足している人が多いとされています。
鉄分も酸素を運ぶ赤血球を作るために重要で、カルシウムと並んで不足しがちな栄養素のひとつです。
また、疲れたときは甘いものが欲しくなりますが、糖質の摂りすぎはビタミンB群の欠乏につながるため注意が必要です。
生活リズムが不規則になると、睡眠の質の低下や、食生活の乱れにもつながります。
ONとOFFとメリハリをつけ、意識して休息時間を確保することが大切です。
しかし、十分な休息をとっても疲労が回復しない、全身のだるさや倦怠感が長く続くときは、その背景に何らかの病気があるかもしれません。
疲労や全身の倦怠感が出てくる場合の主な身体疾患として、高血圧や貧血、糖尿病、悪性腫瘍など様々なものがあります。
疲れがとれない場合は内科を受診しましょう。
そこで、検査をしても特に異常がみられない場合に、ストレスや心の病気の場合もあります。その場合は、精神科や心療内科を受診しましょう。
こうしたことは、遠回りをしているように見えるかもしれませんが、必ずしもそうではありません。
逆に、うつ病の治療をしていて、たまたま体の検査をしたら、うつ病の背景に糖尿病があることがわかったということもあります。
疲れが続く場合は、一度医療機関を受診しましょう。
毎日の仕事や家事、育児、運動などで疲れはたまっていませんか?
疲れを感じたときは早めに疲労回復するように気をつけましょう。
それでは、良い1日を。山内