2020年3月19日木曜日

腰痛の危険度チェック

みなさん、こんにちは

保健師 竹田です。

明日は春分の日です。春分の日とは国民の祝日に関する法律、いわゆる祝日法によって定められている祝日で、「自然をたたえ、生物をいつくしむ」為の日とされています。コロナウイルスで日常生活に制限の多いなか、リフレッシュして過ごせるといいなと思います。

今日は腰痛についてお話します。

日本で腰痛の人は約3000万人いると推計されています。一口に腰痛といっても、その原因はさまざまあります。腰痛を原因別に分類すると、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなど腰の神経の障害によるもの、内臓の病気、重い脊椎の病気などがあります。しかし原因を特定できる腰痛は全体の約15%です。残りの約85%は原因を特定しにくい非特異的腰痛で、一般に腰痛症や坐骨神経痛などと診断されます。

腰痛の危険度チェック

1.じっとしていても痛む
2.背中が曲がってきた
3.お尻や足が痛む、しびれる
4.足のしびれにより長く歩けない
5.体を動かしたときだけ、腰だけ痛む
1に当てはまる場合、脊椎の病気や内臓の病気が考えられるため、危険度は大です。
2に当てはまる場合、骨粗鬆症によって圧迫骨折がおきている可能性があります。
3.4いずれかに当てはまる場合は、腰部脊柱管狭窄や椎間板ヘルニアなど神経の障害が原因で症状が起こっている可能性があります。
1~4のひとつでも当てはまる場合は、一度医療機関を受診することがすすめられます。
5に当てはまる場合、腰の椎間関節や筋肉などが原因の腰痛である可能性が高く、その場合当面の危険はありません。ほとんどの腰痛は1か月以内に痛みがなくなる心配のないものです。ただし、症状が悪化した場合や、3か月以上症状が続く慢性腰痛の場合は、整形外科を受診することがすすめられます。

診断は?

いろいろな原因があり、また病態により治療法が異なるため、正確な診断が重要です。必要に応じてX線(レントゲン)検査、MRI検査、骨シンチ、筋電図検査、血液・尿検査などを行います。特に安静にしていても痛みが軽くならない、しだいに悪化する、発熱している、下肢がしびれたり力が入らない、尿漏れがするなどの症状を伴っている場合は、放置したり自分で管理することは禁物で、すみやかに整形外科を受診されることをおすすめします。

腰痛と心理的要因

私たちの脳には、腰痛などの「痛みを和らげる働き」が備わっています。しかし、家庭や職場でのストレスなどがあると、この「痛みを和らげる働き」が機能しなくなってしまい、慢性的な痛みを感じるようになってしまいます。
「朝方に腰痛を強く感じる」という人は、心理的要因が関係している可能性があります。というのも、一般的に腰に異常がある人の場合は、腰を使えば使うほど痛みがひどくなってくるため、「夕方」に痛みが強くなる傾向にあります。
これに対して、心理的要因のある人は、朝から午前中にかけて、意欲低下や抑うつ気分が強く現れ、腰痛が強くなり、午後から夕方にかけては、その症状が軽減するという傾向にあります。


危険ではない腰痛の対処法

病院に行くほどではない腰痛の場合は、次のような対策をとると効果が期待できます。
  • 適度な運動を
ウォーキングのような適度な有酸素運動を毎日行うと、脳の血流がアップし、脳の中で痛みを抑える物質が増えてきます。
  • できる範囲で通常の生活を続ける
普段どおり仕事や家事をして、できる範囲でいつもどおりの生活を続けます。
  • ストレス対策を行う
自分が楽しいと感じることを行うと、脳の血流がよくなって痛みを抑える物質が増え、痛みを抑えることができます。たとえば好きな音楽を聴いたり、好きな映画を観たり、アロマオイルなど好きな香りを楽しんだり、生活の中にリラックスできる時間をつくることがおすすめです。


今日も一生健命 竹田