保健師 近藤です。
ゴールデンウィークも終わり、休み明けの仕事はなかなかしんどいですね。今週は土曜日もあるので、頑張りたいと思います。
今日は、最近流行しているはしか(麻しん)についてお話しをしようと思います。
台湾からの旅行者から始まった沖縄県でのはしかの流行は、愛知県にも広がり、全国で感染者が増えており一連の患者数は8日までに合わせて108人に上りました。
麻しんとは…
麻しんは、麻しんウイルスによって引き起こされる急性の全身感染症として知られています。麻しんウイルスの感染経路は、空気感染、飛沫感染、接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。免疫を持っていない人が感染するとほぼ100%発症します。
はしかの患者が1人いれば、12人から18人にうつしてしまうぐらいの感染力が強いため、同じ空間を共有していると20分程度で感染し、免疫がなければほぼ100%発症すると言われています。
症状について…
麻疹ウイルスの感染後、10~12日間の潜伏期ののち発熱や咳などの症状で発症します。
①カタル期(2~4日)
38℃前後の発熱、咳、鼻汁、くしゃみ、結膜充血、眼脂、羞明などが、出現します。そして、一旦熱が下がったころに、口の中の頬粘膜に、白い粟粒のような特徴的な「コプリック(Koplik)斑」が、見られるようになります。この時期は普通の風邪と区別が付きませんが、ウイルスが大量に増えていて、他の子どもに感染しやすい時期です。
②発疹期(3~4日)
一旦下がった発熱が、再び、高熱となり(39~40℃)、全身の上方に始まり下降していく(耳後部、頚部、顔、体幹、上肢、下肢の順に広がる)、特有の発疹が出現します。
発疹は、直径数mmの紅丘疹で、融合傾向があります。「コプリック(Koplik)斑」は発疹の最盛期には消失します。不機嫌、食欲不振が著明で、ぐったりしてきます。
③回復期(7~9日)
熱が下がり、発疹が消失しますが、発疹の色素沈着は残ります。
※肺炎や中耳炎の合併症を起こしやすく、1000人に1人の割合で脳炎を発症する可能性もあります。
ワクチンについて…
麻しんは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。麻しんの予防接種が最も有効な予防法といえます。定期接種の対象者だけではなく、医療・教育関係者や海外渡航を計画している成人も、麻しんの罹患歴や予防接種歴が明らかでない場合は予防接種を検討してください。
ちなみに、麻しん含有ワクチン(主に接種されているのは、麻しん風しん混合ワクチン)を接種することによって、95%以上の人が麻しんウイルスに対する免疫を獲得することができると言われています。また、2回の接種を受けることで1回の接種では免疫が付かなかった方の多くに免疫をつけることができます。さらに、接種後年数の経過と共に、免疫が低下してきた人に対しては、2回目のワクチンを受けることで免疫を増強させる効果があります。
麻しんは、全国的に流行しているので旅行に行くときなどお気をつけ下さい。早めのワクチン接種をお勧めします。
5月は新緑がきれいな時期です。私は、緑をみていると落ち着きます。
今週もお天気が続きそうなので、脱水には気をつけて過ごして下さい。
では、次回までSee you again!!
5月は新緑がきれいな時期です。私は、緑をみていると落ち着きます。
今週もお天気が続きそうなので、脱水には気をつけて過ごして下さい。
では、次回までSee you again!!