2023年8月24日木曜日

夏バテではなく、貧血かも

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。8月も後半ですが、まだまだ残暑厳しい日々が続きそうですね。夏の暑さに疲れが溜まっている人は、休息をしっかりとりましょう。


今日は貧血についてお話します。

毎日暑く、食欲が落ちたり体調を崩してないでしょうか。身体がだるい、疲れやすい、めまいがするなどの症状は夏バテではなく、貧血かもしれません。

貧血とは、赤血球に含まれる血色素(ヘモグロビン)濃度が低下した状態をいいます。
もっとも多い貧血の種類は、鉄欠乏性貧血です。鉄欠乏性貧血の予防のためには、食事からしっかりと鉄など必要な栄養素をとることが大切です。

症状



全身倦怠感、耳鳴り、めまい、息切れ、口角が切れやすくなる、肌の乾燥、イライラ感、肩こり、動悸、頻脈、頭痛、疲労感、立ちくらみ、抜け毛、枝毛が増えるなど

鉄の一日摂取推奨量


成人男性では約1mg、女性では約0.8mgの鉄が1日に損失しています。また女性は月経により、1日あたりに換算してさらに約0.5mgの鉄が損失しています。この損失する鉄を食事から補う必要があります。

食品中に含まれる鉄には「ヘム鉄」と「非ヘム鉄」があり、前者はレバーや赤肉、赤身の魚などに多く含まれており、後者は野菜や卵、牛乳などに多く含まれています。この2種類で大きく違うのは体内での吸収率で、「ヘム鉄」で高く、「非ヘム鉄」で低いです。また食事の内容などの影響も受け、食べた鉄のおおよそ15%程度が吸収されると報告されています。前述の鉄の損失量とこの吸収率を考慮して、日本人成人(20~49歳)が1日の食事から鉄を摂取する量は、成人男性では7.5mg、月経のある女性では10.5mg(月経のない女性6.5mg)が推奨されています。

夏の貧血


夏場は、体内の鉄分が汗とともに流れ出たり、夏バテによる食事量の減少に伴って鉄分の摂取量も少なくなったりと、鉄欠乏性貧血になりやすい季節です。日々の食事を工夫して、鉄欠乏性貧血を予防しましょう。

貧血予防の食事ポイント

  • 3食バランス良く、規則正しく食べましょう。
  • 鉄を多く含む食品を毎日摂取しましょう。
  • 良質なタンパク質(肉、魚、卵、乳製品、大豆製品)を補いましょう。
  • 鉄の吸収率を高めるビタミンCを摂りましょう。
  • 鉄の吸収を阻害する食品を控えましょう。
  • 加工食品に偏らず、手作りもする。
  • 鉄の吸収を良くするには、胃酸の分泌が必要です。良く噛んでゆっくり食べる、楽しく食べることで胃酸の分泌を促します。

おすすめの食べ物

  • 野菜、果物、イモ類:ビタミンCを多く含むため、鉄の吸収率をアップ
  • かき、しじみ、あさり、鮭:赤血球をつくり出すビタミンB12を含む
  • 緑黄色野菜:正常な赤血球をつくるのに必要な葉酸を含む
  • 魚介類やレバー、大豆:赤血球中のヘモグロビンが作られるときに必要な酵素の成分である銅を含む。鉄を摂取しても銅が不足していると、ヘモグロビンは正常につくられない
  • 肉、魚、卵、乳製品:動物性たんぱく質と一緒に補うと鉄の吸収が高まる

控えた方がいい食べ物・飲み物

  • 緑茶、紅茶、ウーロン茶、コーヒー:タンニンを含む飲み物を食事中や食直後に摂取すると、タンニンが鉄と結合して鉄の吸収を悪くする
  • 玄米、おから、ふすま:不溶性食物繊維を含む食べ物を摂取すると一緒に排泄され、鉄の吸収を阻害する
  • 加工食品:添加物の一種であるリン酸塩は鉄の吸収を阻害する



今日も一生健命 竹田