みなさん、こんにちは。
保健師 竹田です。
九州に大雨特別警報が出されており、記録的な大雨になっているようです。災害が起きやすくなっていますので、安全を確保する行動を心がけましょう。
今日は大人の発達障害についてお話します。
発達障害とは
発達障害は、先天的な脳の機能発達の偏りによって、コミュニケーションや対人関係など、日常生活に困難が生じる状態です。
以前は、知的障害を伴い、幼少期に診断されるものと考えられていましたが、現在は知的障害を伴わない場合も多いことが分かっています。そうした場合には、例えばコミュニケーションが苦手であっても勉強ができるなど、なんとか環境に適応することができて、子どものうちには発達障害が顕在化しないことが多くあります。
しかし大人になって、より高度で複雑なコミュニケーションが要求されるようになると困難を抱える場面が出てきて、そこで初めて発達障害と診断されるのです。
診断名としての発達障害は大きく3種類に分類されますが、複数の種類を併せ持つ人もいます。そもそも「発達障害であるか、そうでないか」とはっきり線引きできるものではありません。誰でも大なり小なり特性を持っているものであり、それによる困難がある程度積み重なると「発達障害」と診断されます。
- 自閉スペクトラム症(ASD)
- 注意欠如・多動症(ADHD)
- 学習障害(LD)、限局性学習症(SLD)
読み書きや計算などが特異的にうまくできない
大人の発達障害の特徴
発達障害の特徴の表れ方には男女差があります。ASDの場合、男性は分かりやすいことが多いですが、女性の場合は対人関係の問題が表に出にくく、ASDがあっても気づかれにくいことがあります。
ADHDの場合、男性は多動・衝動症状が優勢になることが多いですが、その場合は幼少期からその特徴が表れて早い段階で診断されることが多くなっています。大人になって初めてADHDと診断される人は、男女とも不注意の症状が目立つ傾向にあります。
大人の場合、不注意によって仕事に影響が出てしまうことが多く、それで初めて発達障害に気づくのです。
実際には、ADHDの診断がつく人でも、ASDの特性を併せ持って両方の診断基準を満たす場合もあるなど、症状も困りごとも一人ひとり異なります。
大事なのは診断名のレッテルを貼って型にはめてしまうことではなく、診断によって抱えている悩みの理由を知り、困りごとに対処して生きづらさを減らすことです。
診断は?
治療方法
相互に理解する
例えば、高いコミュニケーション能力や柔軟性が求められる仕事は苦手でも、一人でコツコツと取り組むような仕事は得意など、特性に合わせて業務や環境を調整することでうまくいくこともたくさんあります。