2021年7月9日金曜日

高尿酸血症の予防

 こんにちは、山内です。

天気の悪い日が続いていますね。

土砂災害の影響を受けている地域もあり、日頃から災害意識を高めたいと思います。

今日は、高尿酸血症についてお話します。

「尿酸」とは、体内でプリン体という物質が分解されたあとにできる老廃物のことで、血液中の尿酸の濃度を「尿酸値」といいます。

私たちの体は細胞で構成され、一つひとつの細胞の中には核があります。

プリン体は、細胞の核に含まれるDNAの主成分です。

また、プリン体は体内でのエネルギー代謝の過程でも発生します。

プリン体は、私たちの体内で約8割が生成されており、残りの約2割は食べ物から摂取しているといわれています。

プリン体の老廃物として残った尿酸は、通常は尿に混じって排出され、血液中の尿酸の量は一定に保たれています。

しかし、不健康な生活習慣などの影響により、尿酸の量が増えたり、排泄する力が弱くなったりすると、血液中の尿酸の濃度が高まり「高尿酸血症」になります。

痛風や腎結石、尿路結石の原因であるほかに、高尿酸血症がある人では、肥満や高血圧、脂質異常症、高血糖を複合的に合併することが多くなっています。

尿酸が高いだけでは、自覚症状はありませんが、進行していくと、結晶となった尿酸が関節・足先や耳たぶなどにたまります。

そしてその部分に炎症が起こり、激痛の痛風発作が起こります。

また腎臓にたまって結石ができると背中に痛みが生じ、尿管や膀胱に移行するとその部分で炎症を起こし、激痛を生じます。

尿管で起こった場合は尿管結石、膀胱で起こった場合は膀胱結石といい、これらを合わせて尿路結石と言います。


高尿酸血症の予防としては生活習慣改善が大切です。

〇食べ過ぎに注意しましょう。

摂取エネルギー(カロリー)を抑えて肥満を解消するだけで尿酸値は下がります。

肉や魚の内臓や干物にはプリン体が多いので、食べ過ぎないようにしましょう。

〇お酒は適量にしましょう。

アルコール自体に尿酸値を上げる作用があります。

プリン体カットビールだからといって飲み過ぎてはいけません。

日本酒なら1合,ビールなら500mL,ウイスキーなら60mLまでにしましょう。

〇水を2リットル以上飲みましょう。

たくさんの尿で尿酸を排泄するため、水やお茶を1日2リットル以上飲みましょう。

砂糖を多く含む清涼飲料水は逆に尿酸値を上げてしまうので飲み過ぎに注意しましょう。

〇適度な運動をしましょう。

息をこらえて行う無酸素運動は尿酸値上昇の原因になり得ます。

話しながらでもできるような有酸素運動で肥満やストレスを解消しましょう。


高尿酸血症は、痛風発作などの合併症を起こす前に尿酸値をコントロールすることが重要です。

治療が早期に必要な場合もあり、症状がないからといって放っておかず、早めに受診して相談して頂くことも大切です。

それではまた良い1日を。山内