2020年10月9日金曜日

咳が続く方は

皆さん、こんにちは。

保健師近藤です。

今週は台風の影響で雨が続いております。今日から明日にかけて四国に接近するみたいなので、気をつけないといけないですね。台風による被害がなく通り過ぎて欲しいです。

最近は、急に気温も下がってきました。これから季節の変わり目で体調を崩しやすい時期なので、気をつけて過ごさないといけいですね。気温の寒暖差、アレルギーなどから、最近は咳症状が長引いて、咳喘息を起こす方が増えています。

今日は、咳喘息について説明していきます。

【咳喘息の特徴】

・風邪のあとに咳だけがいつまでも残る。

・8週間以上慢性的な空咳が続いている(8週間以上続く咳を慢性咳嗽といいます)。

・気管支喘息のような喘鳴(ゼーゼー、ヒューヒュー)や呼吸困難を伴わない。

・気管支喘息にも使用する気管支拡張薬の吸入で楽になる。

咳はたんを伴わない空咳のことが多く、軽い咳から始まって次第に悪化する人もいれば、突然のひどい咳にみまわれる人もいます。夜間や早朝に悪化しやすく、風邪などの感染症、タバコの煙、気温・湿度変化、会話、運動が引き金になることもあります。春や秋など特定の季節に症状がひどくなる場合もあり、アレルギーの関与もあります。

放置してそのままにすると、典型的なぜん息に移行する確率が高くなります。

男女の比率では女性のほうが多く、非喫煙者よりも喫煙者のほうが多い傾向にあります。咳喘息はアレルギー性疾患ですので、アレルギー性鼻炎などの他のアレルギーを持っている人が罹りやすいです。

【治療】

気管支喘息と同じように気道の過敏な状態が続いているため、通常の風邪薬は効きません。風邪と異なり気管支拡張薬が効果を示します。この他,気管支喘息と同じく気道の炎症をおさえるために吸入ステロイド薬を使います。タバコ環境(自分あるいは同居の方など)にある人は禁煙が必要になります。適切な治療を受けなかったり、治療が不十分だったりすると再発したり、気管支喘息に移行することがあり、難治化することもあるので注意が必要です。

【治療にあたって重要なこと】

早期治療

咳喘息は、気管支喘息の一歩手前の状態と考えられており、咳喘息の人の約30%の人が将来、気管支喘息に移行すると言われています。

この病気は、治療が遅れれば遅れるほど、完治が難しくなる病気です。逆に言えば、初期の段階で適切な治療を行えば、完治できるとも言えます。

喘息は、「繰り返し」がキーワードになります。気管支の壁は炎症を起こすと厚くなります。でも炎症が治まれば戻るのですが、ちょっとだけ、厚みが増します。また炎症が起こって壁が厚くなります。治ると、元よりもちょっとだけ厚みが増します。この「繰り返し」の積み重ねによって、慢性化してしまいます。こうして気管支喘息に移行してしまいます。

こうした「繰り返し」が積み重なる前に適切な治療をすることが非常に大切なのです。

自分の判断で治療を止めない

これはどんな病気や怪我の治療でも同じことなのですが、自己判断で治療を止めないことが大切です。

特に咳喘息は「繰り返し」やすい病気で、気管支の炎症を吸入ステロイドで抑えていたところを、咳が止まったからといって薬を止めてしまうと、気管支の壁だけは厚みを残したままになってしまいます。これは「繰り返し」になりやすいパターンです。

「以前、風邪のあとに咳だけ長引いたけど、自然に治っていた」

「以前から季節の変わり目に咳がでることが何度もあった」

咳喘息は、こういう「繰り返し」がある人に多くみられます。

早い段階で、適切な治療を受け、喘息への移行を防ぐことが重要になってきます。

ここでの症状に当てはまる方は、一度受診をお勧めします。

では、今週もお疲れ様でした。

良い週末をお過ごし下さい。