みなさん、こんにちは。
保健師 竹田です。
10月も後半に入り、気温もぐっと下がってきました。季節の変わり目の体調の変化に注意し過ごしましょう。秋は活動にぴったりの時期でもあります。運動をしている方も多いのでは。そんな今日は足元のトラブルについてお話します。
加齢とともに足裏はぺたんこに
足裏中央部には、通常「土踏まず」と呼ばれるアーチ状のくぼみがあります。このアーチがなく、足裏が平らになっているのがいわゆる「偏平足」ですが、多くの人は加齢とともにアーチがつぶれて、偏平足気味になってきます。
というのも、このアーチを支えているのは足の筋肉や靱帯で、特に筋力は加齢とともに衰えるためです。加えて、現代人は大半が運動不足で、足の筋肉を使うことが少なくなっています。また、体重が増えると、足裏の負担が大きくなります。こうした理由で、足裏のアーチは崩れる一方に。
さらに女性は出産時、産道を広げるために骨盤周りの靱帯がホルモンの作用で緩みます。そのため、出産を経た女性にも、足裏が平らな人が増えてくるのです。
土踏まずのアーチ構造には、歩くときのバネになったり、地面の衝撃を吸収する働きがありますが、平らな足ではこれらの働きが得られないため、足に負荷がかかります。そのため、足が疲れやすくなります。また、体全体のバランスも崩れがちになるため、ひざや腰の痛みを招くことにも。冷えやむくみにつながったり、太りやすくなることもあるのです。
外反母趾の悩みも
「外反母趾」は、足の親指の先が人差し指側に曲がり、それにともなって、親指の付け根の関節が反対の足側に出っ張って痛みを生じるものです。また、親指でなく小指が内側に曲がることで、小指の付け根の関節が外に出っ張る「内反小趾」もあります。
いずれも、ハイヒールなど先のとがった靴を履くことが大きな要因で、女性に多い症状です。しかし、これらの症状は足裏のアーチの崩れからも起こるのです。土踏まずのアーチがあれば、親指の付け根の母趾球部分にある関節はよく曲がり、効率のよい歩き方ができるのですが、アーチがつぶれているとこの関節が押され、うまく上に曲がりません。これを解消しようと親指が内側に曲がっていくため、外反母趾になるのです。
また、アーチがつぶれれば足全体が平べったくなり、靴に押されやすくなるため、そこから外反母趾や内反小趾になることも。ですから、ハイヒールを履かない女性や、男性も要注意です。
合わない靴が原因で起こることも
靴が合っていないことで起こる足のトラブルもたくさんあります。
足が痛くなるからと、実際のサイズより大きな靴を選ぶ人が多いのですが、靴が大きいと中で足がずれてこすれるため、よけいに痛みが出て、タコもできやすくなります。タコは放置すると魚の目などになり、強い痛みが出ることにも。できてしまったら、角質ヤスリなどで早めに削りましょう。
また、大きな靴だと、前すべりして足の指先が靴の先端に当たり続けるため、爪がぶ厚くなる爪肥厚になることも。逆に、小さめの靴や形の合わない靴を履き、爪が皮膚に食い込む陥入爪になるケースもあります。靴は、形とサイズがしっかり合ったものを選ぶことが大切です。
足の老化度チェック
- □ 立った状態で、土踏まずの隙間にボールペンの先を3cmほど入れようとしたときスムー
ズに入らない - □ 靴のかかとの内側が減っている
足の老化を防ぐために
- 1 つま先を壁に対して垂直に保ちながら、足を肩幅程度に広げ、ひじをまっすぐ伸ばして壁に手をつける。
- 2 かかとを床につけたまま、伸ばす足を後ろに下げる。
- 3 前の足のひざをゆっくり曲げ、アキレス腱がやや突っ張る程度の状態でキープ。反動はつけずにジワーッと伸ばす。
片足10秒ずつ3回、1日3セット以上を目標に行ないましょう。
グーパー」のエクササイズをしましょう。裸足になり、足でじゃんけんのグーとパーをするように、足指を曲げ伸ばしします。オフィスのデスク下などで、こっそり靴だけ脱いで行なっても。グーパーをセットで1回として30回、1日3セット程度行ないましょう。足指を使う感覚をつかむことも大切なので、五本指ソックスもオススメです。
また整形外科等で、医療用インソールを作ってくれるところもあります。レントゲンを取り、その人の足に合わせて作るため、偏平足からタコまで、足トラブルの解消に大きく役立ちます。欧米では、妊婦さんが出産で靱帯がゆるむため、インソールを入れる習慣もあるそうです。
また、足の中央部が固定された靴は、足が安定します。紐靴であれば紐をしっかり締める。ハイヒールならアンクルストラップのあるものを選ぶと、足への負担は軽くなります。