2020年2月7日金曜日

正しいフットケアを

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

はやくも二月に入り、年が明けて一月はあっという間の感覚でした。一日一日、意識的に過ごしたいと思っています。

2月10日は「フットケアの日」です。

糖尿病や末梢動脈疾患(PAD)・閉塞性動脈硬化症(ASO)による足病変の予防・早期発見・早期治療の啓発を目的としています。

日本では、糖尿病患者の急増あるいは高齢化の進展で、糖尿病や末梢動脈疾患(PAD)、閉塞性動脈硬化症(ASO)による足病変が増加しています。
推計では、60歳以上の約700万人が足病変を発症するとみられ、重症化し足切断にいたる人は、年間1万人にのぼると推定されています。

しかし、糖尿病の合併症が原因で起こる足病変をはじめ、PADあるいはASOによる足病変は、症状が現れた初期には気づかれにくく、また異変に気づいたとしてもどこの病院へ行ったらよいのか分からず、早期診断・早期治療が遅れ結局、足の切断をしなければならない人が後を絶たないのが現状です。



従来、糖尿病性の足病変の患者さんの殆どは欧米を中心に見られていました。しかし、近年は日本でも糖尿病などに起因する足病変に悩む患者さんが多くなり、フットケアの重要性も増してきています。




フットケアはなぜ大切なの?



糖尿病で血糖値が高い状態が長く続くと、糖尿病の3大合併症のひとつである神経障害や、動脈硬化などが起こります。動脈硬化は血流障害をおこし、結果、足にさまざまな異常が出やすくなります。
また、高血糖の状態はからだの抵抗力を落とすため、細菌感染がおこりやすくなります。
さらに、糖尿病の合併症である糖尿病網膜症などにより視力が低下してくると、傷などの足の変化に気づきにくく、放置したまま足潰瘍(かいよう)や壊疽(えそ)などの重大な病変(糖尿病足病変)に進行してしまうことがあります。

大切な足を守るためには、血糖値を良好にコントロールするとともに、ご自身の日々のお手入れ(フットケア)がカギになります。ご自身の足の状態を知り、その状態に合わせた方法で手入れをしていくことが大切です。

普段から足に傷を作らないよう細心の注意をはらい、毎日よく足を観察して、ケアを行うことで糖尿病足病変を予防することができます。

フットケアの方法


  • 毎日足を観察


  • ・潰瘍や壊疽の予防のためには「早期発見、早期治療」が大変重要です。毎日足の 隅々まで見て触って、よく観察しましょう。・見えないところは鏡を使ったり、ご家族等に協力してもらったりしましょう。
    ・長時間歩いた後や運動後は特に念入りに観察しましょう。

  • 足の清潔を保つ
    ・感染を防ぐためには清潔を保つことが重要です。
    ・石けんをよく泡立てて、柔らかいタオルやスポンジで優しく洗いましょう。
    ・指の間も忘れずに洗いましょう。
    ・洗った後は水気をよく拭きとりましょう。皮膚を傷つけないよう、こすらずに押さえるようにして拭き取りましょう。
    ・皮膚が乾燥している場合は保湿クリームを塗って保湿しましょう。ただし、指の間には保湿クリームはさけましょう。湿って水虫の原因になることがあります。


  • 爪は切り過ぎない・深爪に注意しましょう。


    ・爪の角は、深く切り落とさないようにしましょう。
    ・巻き爪になっている場合は長めにまっすぐに切りましょう。


  • 自分の足にあった靴を履く


  • ・つま先に1センチ程度の余裕があり、足の形に合った靴を選びましょう。・革や内貼りが柔らかく、靴の内部に硬い縫い目のない靴を選びましょう。
    ・クッション性がよく、靴底が安定している靴を選びましょう。
    ・運動や散歩をする時は足首が固定されるよう、紐やマジックテープが付いた運動靴を履きましょう。
    ・神経障害がある方は靴の中に異物がないか、よく確認してから履きましょう。
  • やけどに注意


  • ・湯たんぽや電気あんかなどの低温やけどに注意しましょう。・やむをえず使用する際は、寝る前にはスイッチを切る、設定温度を最低にする、厚手のバスタオルで包むなど、やけどの予防対策が大切です。
    ・バスや電車の温風吹き出し口にも注意しましょう。
    ・夏の炎天下では、素足で砂浜やプールサイドを歩くとやけどをする場合がありますので要注意です。
フットケアの日をきっかけにあらためて自分の足を見直しましょう。

今日も一生健命 竹田