2017年7月21日金曜日

肝炎の検査を受けましょう

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

四国も梅雨明けが発表され、本格的な夏のはじまりですね。

クーラーも上手に利用しながら、熱中症には十分お気をつけ下さい。

7月28日は世界肝炎デーです。


世界肝炎デーは、世界的レベルでのウイルス性肝炎のまん延防止と患者・感染者に対する差別・偏見の解消や感染予防の推進を図ることを目的として、2011年から実施されている新しい記念日です。

このキャンペーンは、様々な種類の肝炎に対する認識を高める事を目的としています。

肝炎は、健康に対し驚くべき損害をもたらすにも関わらず、いまだに認知度が低く、多くが診断されず治療も施されていないという疾患です。

例えば、B型肝炎ウイルスに世界では20億人が感染していると推計されながら、その多くの人たちは自分の感染に気付いていないなど、肝炎は私たちが思っているよりも、ずっと身近で切迫した健康リスクであることを再認識する必要があります。

肝炎とは

肝炎は、肝臓に炎症がおこり、肝細胞が壊されて行く病気です。
肝臓に炎症を起こす原因によって、ウイルス性肝炎、アルコール性肝炎、自己免疫性肝炎、薬剤性肝炎、脂肪沈着による非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)などがあります。

また発症の仕方により、急性肝炎、発症後8週間以内に重篤になる劇症肝炎、6ヶ月以上炎症が持続する慢性肝炎に分類されます。


B型肝炎ウイルス

B型肝炎ウイルスは肝臓に感染して炎症(肝炎)を起こします。
肝炎が持続すると慢性肝炎から肝硬変、さらには肝がん(肝細胞癌)へと進展する可能性があります。

・垂直感染
B型肝炎ウイルスに感染した母親(キャリア)の血液が、出産時に赤ちゃんの体内に入ることで感染するので母子感染とも呼ばれます。

・水平感染
下記のような理由で、B型肝炎ウイルスが体内に入ることで感染します。
  • 輸血
  • 注射針の使い回し(薬物注射など)、刺青(タトゥー)、ボディーピアス、(医療機関などでの)針刺し事故など
  • 性的接触など



C型肝炎ウイルス

C型肝炎ウイルスに感染した方の約3割は、ウイルスが体外に排出され、治癒しますが、約7割の方はC型肝炎ウイルスに継続的に感染し、多くの場合、C型慢性肝炎になります。

C型慢性肝炎はゆっくりと進行しますが、そのまま放置すると肝硬変に移行し、肝硬変になると1年間に約5~8%の方が肝がんを発症します。
そして、日本の肝がんの約65%は、C型肝炎ウイルスの感染が原因と言われています



・水平感染
下記のような理由で、C型肝炎ウイルスが体内に入ることで感染します。
  • 輸血
  • 注射針の使い回し(薬物注射など)、刺青(タトゥー)、ボディーピアス、(医療機関などでの)針刺し事故など

検査を受けたほうがいいのは?


以下の方は特に、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染しているかどうかを調べるための検査を受けることをお勧めします。
  • これまでB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス検査を受けたことがない方
  • ご自身のB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス検査の結果をご存じでない方
  • ご家族にB型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルスに感染している方、肝がんの患者さんがいる方
  • 健康診断の血液検査で肝機能検査(AST(GOT)、ALT(GPT))の値の異常を指摘されたが、まだ医療機関を受診されていない方
  • 母子感染予防策が実施されていなかった1985年(昭和60年)以前に生まれた方
  • 輸血や大きな手術を受けた方
  • 入墨(タトゥー)を入れたり、医療機関以外でピアスの穴をあけたことがある方

なお、肝機能検査上、異常がない場合でも肝炎ウイルスに感染している場合がありますので、一度は肝炎ウイルス検査を受けることをお勧めします。

この機会に肝炎についての知識を深め、自分の肝炎ウイルスについてもチェックしましょう。


今日も一生健命  竹田