みなさん、こんにちは。
保健師 竹田です。
お祭りも終わり、10月も後半に入りましたね。朝晩の冷え込みもだんだん厳しくなってきます。体調の変化に気を付けて過ごしましょう。
10月20日は世界骨粗鬆デーです。
世界骨粗しょう症デーは、骨粗鬆症および骨代謝障害による病気の予防について、国際的に認識し診断し専門研究を促すことを目的とした国際デーです。「世界から骨粗鬆症による骨折をなくす」ことを目的に地球規模で展開しています。
骨粗鬆症とは
骨粗鬆症とは、骨の量(骨量)が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。日本には約1000万人以上の患者さんがいるといわれており、高齢化に伴ってその数は増加傾向にあります。
骨粗鬆症は、圧倒的に女性、特に閉経後の女性に多くみられ、女性ホルモンの減少や老化と関りが深いと考えられています。この原因は、性ホルモンです。女性は、閉経や卵巣の摘出手術により、女性ホルモンが大幅に減ります。
個人差は大きいですが、大幅に減ると、減る前までは女性ホルモンにより抑えられていた骨を壊す細胞が活発になってきてしまいます。
男性も男性ホルモンが減ると同じような現象が起こります。多くの女性の場合、この骨を壊す速度が速まるのは50代前後ですので、これくらいから定期的に骨密度を測る検査を受けることを推奨される医師が多いです。
骨粗鬆症になっても、痛みはないのが普通です。しかし、転ぶなどのちょっとしたはずみで骨折しやすくなります。骨折が生じやすい部位は、背骨(脊椎の圧迫骨折)、手首の骨(橈骨遠位端骨折)、太ももの付け根の骨(大腿骨頚部骨折)などです。
骨折が生じると、その部分が痛くなり動けなくなります。また、背中や腰が痛くなった後に、丸くなったり身長が縮んだりします。
予防が大事
食事
骨の健康のためにはカルシウムの摂取が重要ですが、それだけではありません。カルシウムの吸収を促進するビタミンD、骨へのカルシウムの取り込みを助けるビタミンKなど、様々な栄養素も必要です。エネルギーと栄養素を過不足なく摂取することが大切です。
- 3食バランスよく
- カルシウムを多く含む食品を毎日の食事に取り入れる
- カルシウムの吸収、骨への沈着を助けるビタミンD・Kを併せてとる
- ビタミンDは日光に当たると皮膚で活性化されるため、適度な日光浴をする
- アルコールやたばこはカルシウムの吸収を妨げるので、とりすぎに注意
運動
骨を丈夫にするためにはカルシウムをとることが必要ですが、それと同じくらい運動が大切になります。それは、運動で骨に力がかかると、骨に弱いマイナスの電気が発生し、カルシウムを呼び寄せるからです。
また、運動は骨の血液の流れをよくし、骨をつくる細胞の働きを活発にします。運動の効用はもうひとつあります。運動によって体の筋肉がきたえられ、身のこなしがよくなると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。
骨粗鬆症予防の具体的な運動としては、重力が免荷される水中運動よりも重力のかかる陸上でのウォーキングやジョギングなどが適しています。軽いダンベルを持って自分の体重プラスの負荷をかけながらウォーキングを行うパワーウォーキングも効果的であるとされています。ウォーキングやジョギングは体内でのビタミンDの合成を促すために、日中に行うことがおすすめです。
この機会に骨粗鬆症の理解を深め、予防に取り組みましょう。
今日も一生健命 竹田