2022年8月19日金曜日

脳疲労とは

みなさん、こんにちは

保健師 竹田です。

お盆も終わり、8月もあっという間に後半です。残りの夏休みも有意義に過ごしたいですね。

今日は脳疲労についてお話します。

脳疲労とは


脳の疲労すなわち「脳疲労」とは、文字通り脳が疲れていて、正常に脳が働かなくなっている状態を指します。筋肉を使いすぎると筋肉疲労が起こって筋肉が動かなくなるように、脳も使いすぎると「脳疲労」を起こし、正常に機能しなくなるのです。



脳疲労の仕組みは


人間の脳には大脳新皮質と大脳辺縁系という司令塔があります。大脳新皮質は、思考や学習などの精神活動を、大脳辺縁系は食欲や性欲などの本能や情動を担っています。
また大脳の下方の位置には、自律神経中枢や食欲中枢を司る間脳があります。間脳は、意識しなくても心臓がキチンと適切なリズムで動くとか、適切にエネルギーをからだに入れるための食欲をコントロールしている脳です。
その3つの関係性は、人間の体を機能させる高度情報処理システムと言えます。

まず大脳辺縁系が機能不全を起こし、それが大脳新皮質にも影響し、自律神経をつかさどる間脳にも影響を及ぼし脳の機能不全が起こってきます。
それが「脳疲労」であり、医学的にいえば、脳の中の「大脳新皮質という司令塔と大脳辺縁系という大脳旧皮質の司令塔の関係性の破綻」と言うことになります。

 

原因は

主な原因としては、「ストレス」と「情報過多」があげられます。現代社会はストレス社会といわれていて、仕事や家庭でストレスを抱えている人が増えているのです。恋人関係や夫婦関係など人間関係においてもストレスを継続的に抱えることによって、脳の処理が刺激に対して追いつかず、機能不全に陥ってしまうのです。

また情報化社会で世のなかには多種多様な媒体やデバイスから得られる雑多な情報であふれています。日々スマートフォンで情報を追うのが癖になっている人も、増えていることでしょう。それらがいわゆる「スマホ疲労」としてのしかかって、やがてその情報量に脳がパンクしてしまい、脳疲労を起こしてしまうのです。

症状

まず脳疲労の兆候となる初期症状には3つあって、「便秘」「睡眠障害」「味覚障害」であるといわれています。メインの症状としてまずみられてくるのは、味覚障害のように「五感に関する症状」です。食事をしても味が感じられなくなったり、嗅覚が鈍ったり、そうした症状が脳疲労のはじまっているサインとなります。


 脳疲労を回復させるには



睡眠の質をあげる入眠前の環境を整える

脳疲労の回復には睡眠時間の長さだけではなく質の良い睡眠をとるのがポイントです。
質の良い睡眠をとるためには、仕事から帰宅した夜の時間の過ごし方が大切になってきます。
音楽やテレビをつけたまま寝ると、脳が休まらないので、なるべく静かな環境が理想です。寝室は、遮光のカーテンを使用する、雨戸を閉めるなど、光を遮断して明るすぎない照明を使用するようにしましょう。
入眠前にはブルーライトを発する、パソコン・テレビ・スマートフォンの使用はなるべく避け、目から刺激が入らないように意識してみましょう。


入浴は寝る1~2時間前にぬるま湯で

人は体の深部体温が下がるタイミングで、脳が眠気を強く感じます。
入眠する1〜2時間前に入浴すると入眠しやすくなります。
38〜40度程度の、ぬるめのお湯にみぞおちくらいまで入る半身浴で、時間は10〜15分程度がおすすめです。
熱めのお湯に肩まで浸かってしまうと交感神経が優位になり、自律神経の疲れを誘発してしまいます。

食事で脳疲労を回復

食べ物によって身体ができていると言っても過言ではないほど、健康的な身体を作るためには栄養素が必要です。
タンパク質・脂質・炭水化物・ビタミン・ミネラルの五大栄養素の他にも、疲労回復につながる食材を上手に選んで、バランスよくプラスしてみましょう。

こまめに休憩をとる

仕事の作業中でも、自動車の運転の最中でも「飽きた」と言うサインは脳疲労の最初のサインです。この最初の疲れの兆候が現れると、脳の情報処理能力が下がります。
疲れた脳が「これ以上使わないで」という信号を送っているので、一旦作業をやめてトイレに立つ、ちがう作業に取り替える、と気分転換をしてみるのが良いでしょう。
3時間ごとに15分の休憩を入れるよりも1時間ごとに5分ずつ、休息を入れる方が、脳の情報処理の低下も防ぐことができ、パフォーマンスの低下を未然に防ぐことが可能だと言えるでしょう。

今日も一生健命 竹田