2017年3月17日金曜日

ピロリ菌って何もの?

皆さん、こんにちは。
保健師 近藤です。

最近はワールドベースボールクラシック(WBC)で日本が頑張ってくれていますね。
順当に勝ってプールE1位で準決勝に進むことができています。侍JAPANさすがです!!


次回準決勝は3月22日(水) 10:00~だそうで、対戦相手はまだ決まっていないみたいなので、ドキドキですね。プールFはどこが上がってきても強いみたいで、最後まで頑張って欲しいです。

今日は、胃がんの原因にもなりうる『ピロリ菌』についてお話したいと思います。

ピロリ菌は胃の粘膜に生息する細菌です。

本体の長さは4ミクロン(4/1000㎜)で、2,3回、ゆるやかに右巻きにねじれています。
 一方の端には「べん毛」と呼ばれる細長い「しっぽ」(べん毛)が4~8本ついていて、くるくるまわしながら活発に動きまわることができます。



胃の中は強い酸性(pH1~2)状態なので、通常の菌は生息できません。
ピロリ菌が活動するのに最適なpHは6~7で、4以下では、ピロリ菌は生きられません。それなのに、なぜピロリ菌は胃の中で生きていけるのか?
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 秘密はピロリ菌がだしている「ウレアーゼ」という酵素にです!!
この酵素は胃の中の尿素を分解してアンモニアを作りだします。アンモニアはアルカリ性なので、ピロリ菌のまわりの胃酸が中和され、生息できます。


ピロリ菌の感染はどこで起こっているのか?

大人になってからの日常生活・食生活ではピロリ菌の感染は起こらないと考えられます。
ピロリ菌は、ほとんどが幼児期に感染すると言われています。幼児期の胃の中は酸性が弱く、ピロリ菌が生きのびやすいためです。そのため最近では母から子へなどの家庭内感染が疑われていますので、ピロリ菌に感染している大人から小さい子どもへの食べ物の口移しなどには注意が必要です。

口(くち)~口(くち)感染:歯垢や唾液からピロリ菌が検出された
糞(ふん)~口(くち)感染:ふん便からピロリ菌が検出された
飲料水からの感染:上下水道が完備していない海外で検出されたこともある

上下水道が完備され衛生環境が整った現代日本では、生水を飲んでピロリ菌に感染することはなく、若い人の感染率は、10代、20代では欧米とほとんど変わらなく低くなってきています。ピロリ菌に感染している人からの口うつしが大きな原因と考えられます。

ピロリ菌を放置しているとどうなるの??

ピロリ菌が胃の粘膜に感染すると炎症が起こります。感染が長く続くと、胃粘膜の感染部位は広がっていき、最終的には胃粘膜全体に広がり慢性胃炎となります。
この慢性胃炎=ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と呼びます。

そして、
「慢性胃炎」が長期間続くと、胃の粘膜の胃液や胃酸などを分泌する組織が減少し、胃の粘膜がうすくやせてしまう「萎縮」が進み萎縮性胃炎という状態になります。「萎縮性胃炎」になると、胃液が十分に分泌されないため、食べ物が消化されにくく、食欲不振や、胃もたれの症状があらわれることがあります。


ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎⇒胃潰瘍、十二指腸潰瘍、萎縮性胃炎⇒その一部が胃がんに進行していきます。

しかし、
ヘリコバクター・ピロリ感染胃炎は、除菌が成功すると改善します!!

長くなりそうなので、今回はこの辺で。
次回はピロリ菌の除菌についてお話します。

では、皆さんよい週末を。See you again!!