2024年6月20日木曜日

日光アレルギーとは

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

毎日暑い日が続いていますね。湿度も高く過ごしにくいですが、冷房を上手く使いながら過ごしましょう。

今日は日光アレルギーについてお話します。

日光アレルギーとは


日光アレルギーとは、日光を浴びることで発生したり、悪化したりする皮膚疾患の総称で、「光線過敏症」や「日光過敏症」などとも呼ばれています。「総称」とあるように、日光アレルギーは一つの病気ではなく、いくつかの病気をまとめた呼び名です。
日光アレルギーに含まれる病気はたくさんありますが、遺伝や代謝の異常などが関係する内因性のものと、薬剤や化粧品などがきっかけとなる外因性のものの、大きく2つに分けられます。

原因


外因性:口にした、あるいは肌に触れることによって体内に取り込んだ薬剤や食品などに含まれる物質が皮膚に運ばれ、そこに光線があたることで物質が変化し、皮膚の炎症を引き起こします(例:肌に触れた化粧品・植物成分・貼り薬や、口にした食品・薬剤など)
外因性の日光過敏症には、これらの物質に対する免疫反応を介して発症するもの(光アレルギー性)と、特殊な物質に日光が当たることによって直接肌にダメージを与えるもの(光毒性)があります。
  • 光接触性皮膚炎:一般的に「光かぶれ」とも呼ばれていて、一部の外用薬や香料、日焼け止めなどに含まれる物質が原因になります。特にケトプロフェン系貼付剤(湿布剤)は、鎮痛作用が高い一方で、光接触皮膚炎が起きやすいことで知られています。その他、セロリやパセリ、オレンジなどが原因になることもあります。

  • 光線過敏型薬疹:一部の利尿剤や降圧剤、抗菌剤、抗がん剤、抗ヒスタミン薬、向精神病薬などの内服薬が原因になります。口から摂取した後、そこに含まれる原因物質が皮膚に移行し、それが紫外線(おもにUV-A)に反応することで、発疹などの症状が現れるようになります。

内因性:特定の遺伝子疾患や代謝疾患を持つ人が、光線を浴びることで発症します。
  • 日光蕁麻疹:ある日突然、日光が当たった部位に蕁麻疹ができます。軽症だと自然に症状が消えていくことが多いのですが、ひどい場合はめまいや頭痛など、全身症状を伴うことがあります。紫外線以外の可視光線で症状が現れる人もいます。

  • 多形日光疹:日光の当たる部位(おもに腕)に赤く、小さなブツブツができます。痒みを伴い、時に水ぶくれになることもあります。春から夏にかけて症状が出やすく、また若い女性に多くみられます。

  • 慢性光線性皮膚炎:光の当たる部位に、赤みのあるゴツゴツとした湿疹ができます。中高年の男性に多くみられます。原因がわかっておらず、治療も難しい病気です。

  • 色素性乾皮症:遺伝性の難病で、日光が当たった部位にシミができたり、皮膚が乾燥したりします。赤ちゃんのうちから症状が出ることもあります。発症に気付かずに紫外線を浴び続けると、10~20代で皮膚がんに移行する可能性が高くなります。

予防法

内因性の日光アレルギーは発症自体を予防することは難しいのですが、衣服や帽子、日傘などで遮光対策をすることで悪化を予防することはできます。

外因性の日光アレルギーの場合は、薬や化粧品などを使用する前に注意事項を確認し、正しく対処することが予防につながります。たとえば、日光の当たる部位には日光アレルギーのリスクが高い外用薬や湿布剤などは使わないほうが安心です。どうしても使う必要がある場合には、衣服や帽子、日傘などを使って、紫外線対策をしっかり行うようにしましょう。また、露出部に湿布剤を使用する場合は、サポーターなどで覆うのもおすすめです。

さらに、日焼け止めを塗ることも有効です。ただし、一部の紫外線吸収剤にはアレルギーの原因物質が含まれていることがあるため、肌が敏感な人は紫外線吸収剤の入っていない日焼け止めを使うほうが安心でしょう。
なお、薬などは使用をやめてからも1週間ほどは成分が体内に残存していることがありますので、使用後もしばらくは紫外線対策を徹底するようにしましょう。


日光に当たった後、日光アレルギーが疑われる症状が現れた場合には、すぐに皮膚科医に相談しましょう。
その際、症状が出た場面やタイミング、服薬中の薬、使用中の外用薬や湿布剤、化粧品などの情報をメモしておくと、より速やかで、正確な診断につながります。

今日も一生健命 竹田