2023年11月2日木曜日

寒い季節に向けて

 みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

11月に入り、秋も深まってきました。インフルエンザの流行もまだみられるようです。寒暖差があると体調を崩しやすくなりますので、体調管理に気をつけましょう。


今日は免疫力についてお話します。

免疫とは

細菌やウイルスなどの異物が体に入ってくるのを防御、排除する働きのことです。

自然免疫と獲得免疫

自然免疫

自然免疫は、体に侵入してきた病原体と戦ってくれます。細菌やウイルスなどの異物を除去する食細胞(※食作用を持つ細胞の総称)を中心に構成されていますが、情報役となる細胞もいます。


獲得免疫

侵入してきた病原体に合わせて、武器(抗体)を作って攻撃をします。自然免疫が得てきた情報をもとに抗体は作られるため、ウイルスなどに対して反応するまではすこし時間がかかります。
自然免疫が戦ってくれているあいだに、獲得免疫が抗体という武器を作って応戦するイメージを持つと理解しやすいでしょう。


免疫力低下の症状


  • 細菌やウイルスに感染しやすくなる
  • 口内炎やものもらいがよくできる
  • のどが腫れやすい
  • 病気やケガが治りにくくなる
  • 活動するのが億劫になる
  • 疲れやすくなる・だるい
  • 食欲の低下
  • 肌が荒れやすいなど


免疫機能を高めるには

免疫細胞を作る骨髄の造血幹細胞の分化能力は、加齢とともに低下し、その機能も落ちてしまいます。では、どうすればよいのでしょうか。免疫機能の働きを取り戻すための方法は、いくつかあります。




運動をする

免疫系の細胞を刺激してくれる物質は、骨や筋肉からつくられることが分かってきました。適度な運動によって筋肉や骨が刺激を受け、免疫系の機能が落ちかけていた状態をもとに戻してくれるという働きが期待できます。

運動は、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。逆に、過度な運動をするとそれがストレスになり、かえって免疫細胞に悪い影響を与える可能性がありますので注意しましょう。


体温を高める

運動や入浴などで体温が上がる状態をつくりましょう。体温が少し上がると、免疫細胞が動きやすくなります。体温が上がると血流やリンパの流れがよくなり、その流れにのって全身をパトロールする免疫細胞が、侵入してきたウイルスを捕まえやすくなります。


バランスのよい食事・腸内環境を整える

バランスのよい食事をしていれば、からだに必要な糖分、アミノ酸、脂肪分、ビタミンなどは十分摂れます。規則正しい生活をおくり、食べ過ぎない、飲みすぎないことを心がけ、空腹だからと一度にたくさん食べたり、食後すぐに寝てしまったりという過ごし方も避けましょう。
食べた食品が効率よく消化吸収され、代謝をよくするといった腸内環境を整える意識も必要です。ヨーグルトや納豆などの発酵食品を適度にとるのもおすすめです。


過度なストレスに注意

過剰なストレスは、免疫細胞の機能を低下させます。ストレスがある時に風邪をひきやすくなったり、皮膚に不調が出たりするのはこのためです。しかし、ストレスを気にしすぎることで、かえって健康に悪い影響を与える可能性もありますから、くよくよ考えすぎないほうが得策です。


十分な睡眠をとる

睡眠(休息)は、体をリラックスさせて副交感神経を優位にし、正常な免疫システムを維持します。免疫システムは、感染の原因となる病原体と戦うときに「サイトカイン」という物質を出します。サイトカインは、病源体を撃退するために働くとともに、脳に働きかけて眠気を引き起こすのです。そのため、十分な睡眠(休養)で心身を休ませると、免疫システムの働きを後押しすることにつながります。

寒い季節に向けて、免疫機能を高める生活を心がけてみましょう。


今日も一生健命 竹田