2018年3月16日金曜日

大腸がん検診のススメ

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

高知で桜の開花があり、昨年より早い開花のようです。桜の季節が待ち遠しいですね。




今日は大腸がんについてお話します。

大腸がんは近年増加しており、近い将来肺がんを抜き、死亡率は第一位になると予想されています。

ヒトが食べたものは、体内で分解(消化)されて栄養分が吸収され、最後には便として排出されます。この一連の活動が行われる、口から肛門まで続く1本のつながった管を「消化管」と呼びます。大腸は、この消化管の一部で肛門の直前にあります。
大腸の主な役割は、食べ物の栄養分の残りと水分を吸収し、そのほかの成分を肛門へと運ぶことです。肛門へ運ばれる頃には、水分のほとんどが吸収されて硬くなり、便ができあがっています。

大腸がん発生のしくみと症状


大腸がんの大部分は良性のポリープからがん化することがわかっています。
従って、ポリープの段階で切除すれば大部分の大腸がんは予防が可能です。早期がんであればほぼ100%治癒し、進行がんで発見されたとしても他のがんと比べると助かる可能性がはるかに高いがんの一つとされています。
しかし、早期の大腸がんには自覚症状がほとんどありません。実際、大腸がんと診断された患者さんの約4割は、健康診断(人間ドック含む)で指摘されるなど診断時に自覚症状がなかったという調査結果があります。

大腸がん検診の目的は早期発見


自覚症状がない早期の大腸がんの発見には大腸がん検診が有効です。大腸がんになる人が増え始める40歳を過ぎたら、大腸がん検診を年に1度受けることを厚生労働省は勧めています。
大腸がん検診では便潜血検査を行い、陽性(大腸がんの疑いあり)と判定された場合、より詳しく調べる精密検査を行います。陰性(異常なし)と判定された場合、精密検査は行わず、1年後にまた大腸がん検診を受けます。

便潜血検査とは・・・便が大腸のがんがある部分を通過すると、便と組織が擦れて出血します。便潜血検査では、便に混じったわずかな血液の有無を調べます。検査の方法は、通常2日に分けて採便棒で便の表面をまんべんなくこすり取って、容器に入れて検査機関等へ提出します。
便潜血検査で、陽性と判定された場合、より詳しく調べるために、精密検査を受けます。

大腸内視鏡検査


先端に小型カメラが付いている内視鏡という細長い管状の医療機器を、肛門から入れて行う検査です。大腸の内部を映し出すモニター画面を見て、がんや大腸の状態を詳しく調べることができます。
また、内視鏡は、細胞の採取や小さな腫瘍を切除することもできます。
検査を受ける人は、前日および当日に下剤を飲んで、大腸の中をきれいにしておきます。
検査にかかる時間は20分程度です。



大腸がん予防のポイントは?


大腸がんの発生と食生活には密接な関係があるといわれており、医学的に証明されているものもあります。
大腸がんのリスクをあげる食物としては、動物性の高脂肪、高たんぱくにかたよった食事、繊維食の不足、直腸がんではビールという報告もあります。
リスクを減少させる食事としては、穀物、豆類の繊維食、チーズ、牛乳、魚類の良質の蛋白質をバランスよくとることが奨められています。
肉は赤身の肉を選ぶなど脂肪のとりすぎに注意し、料理法を工夫するのも効果的です。果物、野菜だけでなく、海藻、こんにゃくは水に溶ける繊維で保水性に富んでいるため、大腸の粘膜を保護する働きももっています。野菜、果物、いも類、豆類、海藻、キノコ、穀物をバランスよく摂取すれば、低脂肪、高繊維の食事に近づけます。

また、大腸がんに限らず、重大な病気のサインを見逃さないためにも、自分の便の状態や排便回数を日ごろから把握しておきましょう。症状が繰り返し起きたり、ずっと続いたりするなど、お腹の調子に違和感を覚えたら、自己判断せず、医療機関でできるだけ早く診てもらうことが大切です

今日も一生健命  竹田