2023年12月21日木曜日

呼吸機能検査

みなさん、こんにちは😊

保健師 曽我です。今日はとても寒い一日となっております。

西条市内も雪が舞っておりました⛄⛄

今週末はクリスマスです🎄🎅私にもサンタさんが来てくれることを願っております☺


本日は呼吸機能検査についてです。


健診項目の一つでもあります、呼吸機能検査。

ぜんそく(喘息)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、間質性肺疾患をはじめとする、呼吸器の病気が疑われるときや、その状態をみるときに行う検査です。息を吸ったり吐いたりして息を吸う力、吐く力、酸素を取り込む能力などを調べます。

 スパイロメータという機械を用いることが多いですが、詳しく呼吸障害の程度をみる時は、精密肺機能検査用の機械を用いて行います。鼻から空気が漏れないようにクリップでつまみ、マウスピースという筒をくわえて、検査技師の指示に従って息を吸ったり吐いたりします。

        

 ■ 肺活量(VC):空気をいっぱい吸入して、いっぱい吐いたときの量です。通常、年齢と身長によって計算した予測正常値と比較し、%肺活量として表します。肺の呼吸全容量です。(基準値:80%以上)


■ 1秒率(FEV1.0%):肺活量を測定するときに、最初の1秒間に全体の何%を呼出するかの値です。肺の弾力性や気道の閉塞の程度を示します。弾力性がよく、閉塞がないと値は大きくなります。(基準値:70%以上)

この2つの指標を使って、肺の換気の障害を拘束性と閉塞性および両者の混合性の3つに分けます。

⑴拘束性障害:肺活量の低下は、呼吸する肺の組織が減少したり、胸膜の病気などでみられます。例えば、肺線維症、じん肺、間質性肺炎などの病気です。

⑵閉塞性障害:1秒率の低下が主な病気です。例えば喘息、COPDなどの病気です。


 2011年の厚生労働省患者調査によると、病院でCOPDと診断された患者数は約22万人であり、COPDであるのに受診していない人が500万人以上いると推定されています。
つまり、多くの人がCOPDであることに気づいていない、または正しく診断されていない可能性が高いと考えられているのです。

 COPDの診断は呼吸機能検査の一秒量により判定されるので、人間ドックの受診により早期診断が可能です。喫煙者では禁煙することによって一秒量の改善、ひいては肺年齢の改善が期待されますので、喫煙者で呼吸機能検査の異常が指摘された人だけでなく、まだ呼吸機能検査が基準値の範囲に入っている人も禁煙は健康上極めて重要なことといえるでしょう。


 非喫煙者においても加齢と共に徐々に呼吸機能の低下は進んでいきます。人間ドックの受診データの解析から非喫煙者における肺年齢を悪化させる要因は、20歳時点と比較した体重増加と運動不足で、「男性では週に1時間以上の汗をかくような運動をしていない」「女性では1日1時間以上の歩行を行っていない」が有意な要因と報告されています。

 喫煙者では禁煙をすることが呼吸機能検査を毎年受けることより最重要ですが、非喫煙者では他の生活習慣病予防の原則である、肥満の防止と適度な運動が、肺年齢を悪化させない対策となりそうです。

本日もお読みいただきありがとうございました🎄
曽我