2016年10月21日金曜日

骨粗しょう症による骨折を予防しましょう

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。


お祭りも終わると、あっという間に年末がやって来そうですね。

体調には気をつけ、毎日過ごしましょう。


10月20日は「世界骨粗鬆デー」です。

世界骨粗鬆症デーは、英国骨粗鬆症学会が1996年10月20日に骨粗鬆症の啓発を目的に創設したものを1997年に国際骨粗鬆症財団が引き継ぎ、「世界から骨粗鬆症による骨折をなくす」ことを目標に地球規模で展開しています。






骨粗しょう症とは


骨の強度が低下して、骨折しやすくなる骨の病気を「骨粗しょう症」といいます。
骨粗しょう症により骨がもろくなると、つまずいて手や肘をついた、くしゃみをした、などのわずかな衝撃で骨折してしまうことがあります。

がんや脳卒中、心筋梗塞のように直接的に生命をおびやかす病気ではありませんが、骨粗しょう症による骨折から、介護が必要になってしまう人も少なくありません。

骨粗しょう症は痛みなどの自覚症状がないことが多く、定期的に骨密度検査を受けるなど、日ごろから細やかなチェックが必要です。 

骨折しやすい部位


骨粗しょう症により骨折しやすい部位は、背骨の骨(椎体)、脚の付け根(大腿骨近位部)、手首(橈骨:とうこつ)、腕の付け根(上腕骨)です。

背骨の骨が体の重みで押し潰れてしまうことを「圧迫骨折」と言い、背中や腰が曲がるなどの原因となります。
圧迫骨折が生じても、単なる腰痛として見過ごしていたり、痛みを感じない場合もあります。
1ヵ所骨折すると、その周囲の骨にも負担がかかり、連鎖的な骨折につながりやすいため、早期発見・早期治療が重要です。

大腿骨近位部は、歩行が困難になり要介護状態になるリスクが高い部位です。大腿骨近位部骨折の85%は転倒が直接の原因となっていますので、治療とともに転倒予防も重要です。

原因は


加齢とともに増加

骨密度は女性の場合、18歳くらいでピークに達します。そののち40歳代半ばまでは、ほぼ一定を維持しますが、 50歳前後から低下していきます。

加齢によって骨密度が低下するのは、腸管でのカルシウムの吸収が悪くなったり、カルシウムの吸収を助けるビタミンDをつくる働きが弱くなるなどの理由があります。
また、若い頃よりも食事量や運動量が減るといった生活習慣の変化も関係します。

閉経後のホルモン低下

骨粗しょう症は特に女性に多い病気で、患者さんの80%以上が女性といわれています。
女性ホルモンの一種であるエストロゲンは、骨の新陳代謝に際して骨吸収をゆるやかにして骨からカルシウムが溶けだすのを抑制する働きがあります。

そのため、閉経期を迎えて女性ホルモンの分泌が低下すると、急激に骨密度が減り、同年代の男性に比べて早く骨密度が低くなります。 

無理なダイエットや運動不足

ダイエットによる栄養不足は、骨粗しょう症の原因になります。とくに成長期は丈夫な骨をつくり、骨にカルシウムを貯蓄する大事な時期ですので、極端なダイエットをすると、将来の骨密度に悪影響を及ぼします。

また、家にこもりがちで運動量が少ない人も、注意が必要です。骨は負荷がかかるほど、骨をつくる細胞が活発になるので、外出する機会が少なかったり体を動かす習慣がない人は骨が衰えやすいです。

予防するには


食事

骨粗鬆症を予防するためには、カルシウムとカルシウムの吸収を助けるビタミンDを多く含む食品をとることが大切です。
カルシウムは乳製品や大豆製品、小魚、緑黄野菜、海草などに多く含まれています。
骨粗鬆症を含めた生活習慣病は、長年の食生活のかたよりが大きな原因となりますから、毎日の食事をバランスよくとることがすべての病気を予防する基本であることに変わりはありません。

運動

骨を丈夫にするためにはカルシウムをとることが必要ですが、それと同じくらい運動が大切になります。運動で骨に力がかかると骨に弱いマイナスの電気が発生し、カルシウムを呼び寄せるからです。
また、運動は骨の血液の流れをよくし、骨をつくる細胞の働きを活発にします。
運動によって体の筋肉がきたえられ、身のこなしがよくなると、転びにくくなり、骨折の防止にもつながります。


定期的な検査を!

「骨密度」は、骨の強さを判定するための代表的な指標です。骨密度検査では、骨の中にカルシウムなどのミネラルがどの程度あるかを測定します。骨密度は若い人の骨量の平均値と比べて自分の骨が何%であるかで表されます。

骨密度検査は、骨の健康を知る上で重要な手がかりです。特に女性は症状が無くても、40歳以上になったら定期的に骨密度を測ることをお勧めします。





今日も一生健命

竹田