2016年11月4日金曜日

認知症を知ろう

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

昨日は文化の日でしたね。

文化の日とは、「自由と平和を愛し文化をすすめるために国民が祝い、感謝し、記念する日」となっています。文化勲章の授与も行われました。

文化の日は晴れることが多いそうですが、昨日も秋晴れの一日でしたね。
薄着で出かけたら思ったより寒く、服選びに失敗してしまいました。
行楽シーズンですが、お出かけの際はあったかくして行ってくださいね。




今日は認知症についてお話します。

認知症とは

認知症は脳の病気であり、発症すると記憶力や判断力、実行力などの機能が低下していき、ある程度進行すると一人で生活を送ることが困難になります。

認知症の症状、患者の気持ちを理解することが、今後、家族や自分自身の認知症の早期発見や、適切なケアによる症状の緩和、さらに地域で暮らす認知症の人への支援につながります。

65歳以上の高齢者のうち認知症を発症している人は推計15%で、2012年時点で約462万人に上ることが厚生労働省研究班の調査で明らかになっています。

老化による物忘れと認知症の違い




認知症の種類

・アルツハイマー型認知症
・脳血管型認知症
・レビー小体型認知症
・前頭側頭型認知症

このうち約60%はアルツハイマー型認知症が原因で、約20%は脳血管型認知症によるものとされています。

症状は

中核症状

中核症状は、脳の神経細胞の破壊によって起こる症状です。
代表的な症状は記憶障害で、記憶ができないために、直前に起きたことでも思い出せなくなります。脳が正常だった頃に記憶した過去の記憶は残っていますが、症状の進行とともに、それらも失われていきます。

行動・心理症状

行動・心理症状は、中核症状に本人の性格や環境の変化などが加わって起こる症状で、妄想を抱く、幻覚を見る、暴力をふるう、徘徊をするといった症状を指します。
また同時に、うつや不安感、無気力といった感情障害が起こるケースもあります。

生活習慣病と認知症の関係

高血圧の方は脳血管性認知症のリスクが3.4倍に

1985年から数回に渡り福岡の久山町で行われている調査では、高血圧症の人が正常血圧の人よりも脳血管性認知症になるリスクが3.4倍もある事がわかりました。
また50歳以上64歳以下の中年期で高血圧である人は、これよりも高いリスクになる事が判明。この事より、若い頃から血圧が高い人ほど、脳血管性認知症になる確率が高いと言えます。

糖尿病はアルツハイマーの発症リスクが4.6倍に

2型糖尿病は、血管に障害を起こし脳血管性認知症とも関わりがあるとされていますが、アルツハイマー型認知症になるリスクも高いとも言われています。
九州大学で行われていた研究の結果、2型糖尿病と関係する高インスリン血症状態が、アルツハイマー型の原因と言われている、アミロイドβ蛋白を分解出来なくする事がわかりました。

予防できる?

現時点では残念ながら、「こうすれば認知症にならない」という絶対的な方法はありません。
しかし最近の研究から「どうすれば認知症になりにくいか」ということが少しずつわかってきました。

認知症の原因の約6割を占めるアルツハイマー型認知症の発症に、生活を取り巻く環境の影響が大きく関わっていると分かってきました。

1.食習慣
野菜・果物(ビタミンC、E、βカロチン)をよく食べる
魚(DHA、EPA)をよく食べる
赤ワイン(ポリフェノール)を飲む

2.運動習慣
週三日以上の有酸素運動をする

3.対人接触
人とよくお付き合いをしている

4.知的行動習慣
文章を書く・読む、ゲームをする、博物館に行くなど

5.睡眠習慣
30分未満の昼寝、起床後2時間以内に太陽の光を浴びる



今日も一生健命 竹田