2017年9月1日金曜日

人間ドック学会報告!

皆さん、こんにちは。
保健師 近藤です。
今日から9月がスタートです。8月もあっという間でした。
今日の午前中は、とても気持ちの良い風が吹いており気持ちよかったです。
セミもいつの間にか鳴いておらず、夏も終わりだなと感じました。

今日は、先週の24、25日と第58回人間ドック学会学術大会に行ってきたので、簡単にその様子を報告したいと思います。
去年は長野県だったのですが、今年は埼玉県・大宮での開催でした。
大宮駅近くの大宮ソニックシティ(隣のパレスホテル大宮)で行われました。
会場はかなり広く、様々な階で色々と同時進行で行われるので、1日目はずっと迷いながらスタッフの方に聞きながら回ってました。



今回のドック学会で、私が1番興味がわいたのは、国立がん研究センター研究所 落谷孝広(おちやたかひろ)主任分野長の講演でした。
「がん」に関する話だったのですが、私が説明するのは難しい所もあるのですが、少し説明します。
この落谷先生が研究しているのは、がん細胞が分泌するマイクロRNA(リボ核酸)に着目し、大腸がんや乳がんなど13種類のがんにそれぞれ特徴的なマイクロRNAを組み合わせ、がんの超早期発見につなげることを研究しています。
このマイクロRNAはマウスに比べると人間のほうが数も多く複雑なため、人間は「がん」になりやすいといえるそうです。なので、マウスはがんができにくいそうです。

そして、マイクロRNAを守っているのが「エクソソーム」と呼ぶのですが、この「エクソソーム」は、微少なカプセル状の粒で、直径は100ナノメートル前後。電子顕微鏡を使ってようやく見えるサイズです。カプセルの中にはたんぱく質や核酸の一種であるリボ核酸(RNA)が入っています。

エクソソームを考えるうえで最も大切なのはカプセルの中身だ。特にマイクロRNAはがんの転移を考える際の鍵となる。正常な細胞に入り込み「死のメッセージ」を送り、受け取った正常細胞をアポトーシス(細胞死)させてしまうのだ。
マイクロRNAを内包するエクソソームを媒介として、がんが増悪や転移を引き起こすことが分かってきた。 


がん診断マーカーとしてのマイクロRNAの特徴には「腫瘍が小さいうちから、がん細胞の特徴を反映する」(土屋氏)ことがあるという。例えば大腸がんでは、CA19-9やCEAのような現行の腫瘍マーカーでは、I期(ステージ1)のような早期段階では異常を検出しにくい。病期が進むほど検出率が高くなるのが、一般的なマーカーの性質だ。
腫瘍マーカーよりもマイクロRNAの方が早くがんを見つけることができるそうです。 

詳しく知りたい方は、下記を参考に↓↓↓




今後、この研究がもっと進んでくると、がんを早期発見でみつけることができ、治療も早い段階で受けることとができます。また、国の医療費も大幅に削減ができるといっていました。
この研究が実現化すると、「がん」で亡くなる方はかなり少なくなると思います。「がん」治療に関しての明るい未来を感じました。

あと、他にもNASH(非アルコール性脂肪肝炎)や乳がんのマニュアルも変わることなどもお話がありました。NASHに関しては以前のブログに書いてるので、良かったら見てみて下さい。(2016.10.28)

そして、『受診勧奨』に関しての演題も印象に残りました。
健診結果で要精密検査の方に受診を受けてもらうために手紙や電話で『受診勧奨』を行うのですが、他の病院などの保健師や看護師が抱えていることは同じなんだなと感じ、とても嬉しかったです。それと同時に私も、受けてもらえるようにもう少し頑張らないといけないなと思いましたので、もしかすると手紙やお電話をすることがあるかも知れませんので、その時はよろしくお願いします。


ちなみに今回のランチョンセミナーのお弁当です。
2日とも同じ会場だったので、お弁当の感じは同じでした。残念でした。
味はおいしかったです。



では、皆さん良い週末をお過ごし下さい。
次回まで、See you again!!