2017年12月8日金曜日

早期に受診!前立腺肥大

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

各地で雪が降り、真冬並みの寒さだそうです。インフルエンザも流行しています。人混みには注意して、冬のシーズンも健康に過ごしましょう。

今日は健診の腹部エコーで見つかることも多い、前立腺肥大についてお話します。



前立腺肥大とは


前立腺が何らかの原因で大きく肥大してしまうのが、前立腺肥大症の大きな特徴です。前立腺は生殖や排尿に関係する機能があるため、前立腺が大きくなることでこれらの機能に影響が現れてきます。

特に排尿への影響が大きく、前立腺の肥大によって何らかの排尿障害が現れた状態を「前立腺肥大症」と呼びます。


前立腺肥大症に悩む人の数は、年齢が高くなるにつれて増えています。増え始めるのは50歳を過ぎてから。統計によれば、日本の55歳以上の男性の2割、5人に1人に前立腺肥大の症状があることがわかっています。


  • 症状は?
1.排尿後、まだ尿が残っている感じがする(残尿感)
2.トイレが近い(頻尿)
3.尿が途中で途切れる(尿線途絶)
4.急に、尿意をもよおし、もれそうで我慢できない(尿意切迫感)
5.尿の勢いが弱い(尿勢低下)
6.おなかに力を入れないと尿が出ない(腹圧排尿)
7.夜中に何度もトイレに起きる(夜間頻尿)

  • 原因は?
なぜ前立腺が肥大するのか、いくつかの仮説はありますが、はっきりした原因はわかっていません。
ただ、加齢と性ホルモンが何らかの影響を及ぼしていることは確かなようです。前立腺肥大症が50歳以降から増え始め、年齢が高くなるにつれて発症する人が多くなっていくことから、加齢が関与しているといわれています。

  • 治療は?
前立腺肥大症の治療は、症状が軽ければ、まず薬物療法を行います。薬の効果は症状が軽いうちほど高いのですが、放置したまま悪化してしまうと外科的手術が必要になる場合も少なくありません。

薬物療法
・前立腺と膀胱・尿道の緊張を緩める薬
・前立腺を小さくする薬
・その他の薬(漢方薬など)

手術療法
・経尿道的手術
・開腹手術

生活習慣の改善

排尿障害の症状は、日常生活のちょっとした注意と工夫により、ある程度軽くできる可能性があります日頃から排尿状態を悪化させない生活習慣を心がけましょう。

・軽い散歩や運動など適度な運動を
・尿を我慢しない
・適度な水分を摂る、過剰な水分を控える
・アルコールを飲みすぎない
・便秘にならないように
・刺激の強い食べ物は避ける
・下半身を冷やさない
・運転など長時間座った姿勢をとらない



前立腺肥大症は進行性の疾患のひとつとされています。放置することで前立腺は徐々に大きくなり続け、それにともなって症状が悪化することが予測されます。
我慢して治療を受けずにいると、早くから治療を受けた場合に比べ、症状が悪くなったり、合併症を発症したりする率が高くなります。症状を改善してより良い排尿を取り戻すためには、症状が軽い早期のうちに専門医を受診することが大切です。

今日も一生健命  竹田