2024年3月28日木曜日

甲状腺の働き

 みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

春は卒業や入学、異動などで環境が変わる人もいると思います。なるべく生活リズムを崩さないように、気をつけましょう。

今日は甲状腺についてお話します。

甲状腺とは


甲状腺はのどぼとけの下にある蝶(チョウ)が羽を広げた形をした臓器で、甲状腺ホルモンというホルモンを作っています。
このホルモンは、血液の流れに乗って心臓や肝臓、腎臓、脳など体のいろいろな臓器に運ばれて、身体の新陳代謝を盛んにするなど大切な働きをしています。

甲状腺ホルモンとは


甲状腺ホルモンには、サイロキシン(T4)とトリヨードサイロニン(T3)があります。甲状腺ホルモンは、脳にある下垂体という臓器から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)によって調節されています。 甲状腺ホルモンが不足してくるとTSHが増加して甲状腺を刺激します。 逆に、甲状腺ホルモンが何らかの理由で増えすぎるとTSHの分泌は抑えられます。




甲状腺ホルモンの異常からくる症状


甲状腺機能低下症:甲状腺の働きが低下して、血液中の甲状腺ホルモンが不足する
症状:元気がなくなり、疲れやすくなる、皮膚は乾燥してカサカサする。 声が嗄れる、便秘、顔のむくみ、体重増加、動作は遅く物忘れが多くなる、一日中眠くなるなど。

甲状腺機能亢進症:血液中の甲状腺ホルモンが過剰になる
症状:暑がりで汗かきになる、脈が速くなり動悸がする、手や指が小刻みに震える、食欲は旺盛なのに痩せてくる、 イライラする、体が疲れやすい、筋力低下など。


甲状腺の検査


  • 血液検査

甲状腺ホルモンが多いのか少ないのかを確認するために、下垂体から分泌される甲状腺刺激ホルモン(TSH)と、甲状腺ホルモン(FT3,FT4)を測定します。
これらに異常があった場合は、なぜホルモン異常が起きているかの原因を調べていきます。 甲状腺は自己免疫疾患と言われる自分の免疫系が自分の体を攻撃してしまう病気により発症してくることが多いため、体にある甲状腺に対する抗体(TSHレセプター抗体、抗サイログロブリン抗体など)を測定し診断を行います。 これらの値を参考にしてホルモン異常の原因を調べていきます。

  • 超音波検査
甲状腺ホルモンの分泌異常がある場合、甲状腺自体も変化してくることがあります。
甲状腺全体が大きくなったり、小さくなったりすることもあります。また、腫瘍の有無を確認し、腫瘍がある場合には、腫瘍の数や大きさ、内部構造などを確認します。
必要があれば注射針を使って甲状腺内部の細胞を摂取し、悪性細胞かどうかを確認します。

気になる症状がある場合は、早めに受診して相談しましょう。

今日も一生健命 竹田