2023年9月14日木曜日

続く痛みはありませんか

 みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

気が付けば9月も中旬を迎え、朝晩涼しくなってきました。まだ日中は暑い日が多いので、気温差に気をつけて過ごしましょう。

今日は慢性痛についてお話します。

急に痛くなって短期間で治まる痛みを急性痛と呼ぶのに対して、長期間にわたって起こる痛みを慢性痛といいます。
急性痛は、けがや病気が原因で一時的に生じる痛みで、原因から身体を守る反応の一つです。痛みに気づくことで、治療のきっかけとなり、原因になっているけがや病気が解消すれば、痛みもなくなります。
もう一つの慢性痛は、急性痛の治療をした後も3か月~6か月以上もの間、痛みが続き、日常生活に支障を来すこともあります。

慢性痛に悩んでいる人は多く、ひざの慢性痛で820万人以上、腰の慢性痛で1020万人以上の人が悩んでいると言われています。


慢性痛のタイプと原因

神経障害性疼痛
ケガや病気で神経が傷つき、神経が異常に興奮して起こる痛みです。原因として、脊髄損傷や脳卒中などによる神経の損傷や切断、糖尿病の合併症による神経障害、がん細胞の神経への浸潤などが挙げられます。

中枢性疼痛
脳と脊髄にある中枢神経が傷ついて起こる痛みです。痛みの刺激がないのに痛いと感じたり、麻痺している部分に異常な痛みを感じたりします。脳や脊髄の病気や損傷が原因です。

心因性疼痛
ストレスや不安など精神的・心理的問題で生じる痛みです。慢性の痛みで長い間悩まされていた人は、脳が痛みグセを学習して、原因がなくなっても痛みを感じることがあります。病気や痛みに対する不安や恐怖、職場や家庭でのストレスなども心因性疼痛の要因となります。

治療法

慢性痛の治療の柱は、運動療法認知行動療法薬物療法の3つです。

最も効果的で手軽なのが、ウォーキングやストレッチ、筋トレなどの運動療法です。筋肉を鍛えたり、関節を動かしやすくすることは、長引く痛みを改善します。

次に、認知行動療法があります。慢性痛は脳が作り出すことが多いため、物事のとらえ方や考え方のパターンを変えて痛みに打ち勝つことを目的に行われます。具体的には、慢性痛が起こる仕組みや運動の重要性を学んだり、痛みが起こるときの状況や気持ちを日記に書くなどの方法が行われています。

薬は、痛みが強い場合に使います。ただし、薬がすべての痛みに効くわけではなく、長期に使うと副作用の心配もあるため、運動療法などの補助として考え、上手に使うことが大切です。

慢性痛を放置していると、心身ともに消耗し、不眠や食欲不振、集中力の低下、イライラなどの症状が現れることがあります。信頼できる医師とじっくり相談して、焦らずゆっくりと治しましょう。


今日も一生健命 竹田