2017年11月10日金曜日

腱鞘炎かな?と思ったら

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

朝晩の冷え込みも厳しくなり、秋も深まっていますね。

寒い日々の中でも、紅葉や旬の食べ物など楽しみを見つけながら過ごしたいものです。





今日は身近に起こる腱鞘炎についてお話します。

腱鞘炎は、手や指の使い過ぎにより、指や手首に炎症が起こるものです。
腱鞘炎で近年多く見られるのは、親指の付け根や手首に炎症が起こる「ドケルバン病」と言われるものです。

腱鞘炎には、手首や親指の炎症の他に、指の関節(特に人差し指、中指、薬指)に炎症が起こり指が曲がってしまう「ばね指」もあります。
現代は「ドケルバン病」が増加しています。
腱鞘炎の第一の原因は同じ作業の繰り返しによる「手の使い過ぎ」ですが、悪化すると、「持つ」「押す」「つまむ」「ひねる」など、手指を動かす全ての動作に痛みを感じ、箸が持てない、字が書けないほど重症化するケースも多く完治にも時間がかかる病気です。

治療法は?


基本的には整形外科を受診し診断しますが、まず、自分で診断できる典型的なテストに「ファンケルシュタインテスト」といわれるものがあります。
①親指を内側に入れて握りこぶしを作り ②手首を小指側に曲げる、と親指側の腱の部分に激しい痛みが生じる場合は、炎症を起こしているサインです。これは整形外科の診断時にも同じテストを行います。

1.患部の安静・休養
腱鞘炎は、手や指の使い過ぎによるもののため、安静と休養が第一の治療です。
仕事のみならず日常で、手をなるべく使わないことは大変難しいことですが、なるべく安静にすることが大切になります。

2.薬や湿布
薬に関しては、市販薬の鎮痛剤でも痛みが和らぐ場合もありますが、医師の処方に従うようにしましょう。
また湿布薬については、医療用ではモーラステープなどの冷湿布が処方されます。
湿布は冷湿布と温湿布のどちらがいいのか迷う方も多くいますが、これはどちらでも大丈夫です。ただし湿布薬はあくまでも痛みを緩和するためのもので、貼ったからといってすぐに治癒するわけではありません。

3.固定
骨折時のギブスのように完全に固定するのではなく、運動を制限します。病院では医療用の装具もありますが、サポーターやテーピングなどでも有効です。痛みは腱と腱鞘が擦れることによって痛むため、運動を制限することにより痛みが楽になり悪化を防ぐことにつながります。

4.電気療法・温熱療法
超音波や超短波、レーザー光線などを発生させる機械を使い、温熱刺激により血行不良や筋肉の緊張を取り除きます。
その他、保険治療による整骨院などでのマッサージや鍼灸治療なども血行促進のために有効と言われています。

5.ステロイド注射
副腎皮質ホルモンは炎症を沈静化する効果があり、ステロイド注射により注射直後から症状が軽くなる場合がありますが、症状が重い場合は効果が長くは続かないため、繰り返し注射をすことも多々あります。ただし注射を繰り返すと副作用として、腱そのものが委縮してしまう可能性もあります。

6.手術
最終手段としては「腱鞘切開術」という手術もあります。日帰り手術で体への負担や危険性は低いものですが、手術後は傷が残り、中には手術後に神経のマヒが起きるケースもあります。そのため、手術に関しては、医師とメリット、デメリットを十分に話し合い、納得の上での手術が重要です。

予防のためのケアは?


1.正しい姿勢
腱鞘炎は部分的な関節への負荷のかけ過ぎが原因なのは確かですが、その誘因になるものは姿勢や生活習慣が大きく関与しています。
原因は悪い姿勢を長時間持続している(背骨の歪み、猫背など)が影響するため、デスクワークや家事など、日頃から姿勢に注意することが必要です。

2.適度な休憩
連続作業の場合には、手指に力を入れすぎないように配慮し、また目の疲れから肩コリを起こし、腕の疲労につながることで余計手首に負荷がかかるようになりるため、こまめに休憩を取り疲れを蓄積しないようにしましょう。

3.血行をよくする
腱鞘炎は手首、肘、腕、肩、首、背中、腰など、体中のさまざまな範囲に広がっているため、日頃からマッサージやストレッチなどで肘、腕、肩、背中の柔軟性を高めたり、散歩などの適度な運動で全身の血行を良くしましょう。



腱鞘炎は日常生活に影響することがあり、予防や早期の対処が大切です。
症状がみられた場合は早めに受診しましょう。

今日も一生健命  竹田