2017年2月24日金曜日

噛むことの嬉しい効果

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

風が強い日が続きますね。春の嵐だそうです。

また気温は下がるようで、春の暖かい日が待ち遠しいです。

今日はよく噛むことの嬉しい効果についてお話します。

みなさんは毎日の食事で噛んでいる回数をご存知ですか?

ある報告では、現代人の咀嚼回数は1食620回、食事時間は11分というデータがあります。

それに比べ、戦前の食事内容では咀嚼回数は1420回、食事時間は22分と、現代の2倍という報告があります。

現代の食事内容はやわらかく、飲み込みやすいものが多いため、噛む回数が少なくなっていると考えられます。

よく噛むことは良いと言われていますが、どんな効果があるのでしょうか。



肥満予防

噛むという刺激は、脳内の満腹中枢を刺激します。
満腹中枢が刺激されれば、脳からお腹いっぱいという刺激が出始めます。その結果、食べ過ぎを防ぐことになります。

歯や歯茎の病気を予防

唾液には、抗菌・殺菌効果、歯を強化する働きのある成分などが含まれているため、よく噛んで唾液の分泌を増やすことで、虫歯や歯周病の予防効果が増します。
また噛むことで、歯茎が刺激され、血行がよくなります。

認知症の予防

よく噛むことは認知症の予防になるという報告があります。
よく噛むという刺激は、脳内の情報伝達物質を増やして、脳を活性化することが報告されているのです。

認知症は、脳内の情報伝達物質の減少なども原因の一つです。そのため、よく噛むことで、情報伝達物質が増えることにより、記憶や学習能力をつかさどる海馬への刺激も増え、海馬も活性化されることになります。

がんの予防

よく噛むことは、口の中の唾液の分泌を盛んにするといわれています。
そして最近では、唾液の中に含まれる酵素の中に、発がん物質の働きを抑える効果があるという報告もされています。
がんだけでなく、心筋梗塞や脳卒中、動脈硬化、糖尿病、骨粗鬆症予防にも有効だと言われています。

胃腸の負担が減る

口腔内でしっかり消化ができていれば、胃腸への負担が少なくなります。
胃腸の負担が少なくなるということは胃腸がとても働きやすい環境が整い、しっかり動くことができる状態になります。

では理想の回数は?

理想の咀嚼回数は、一口30回、一食あたり1500回以上と言われています。


咀嚼回数を増やすためのポイント


歯ごたえのあるものを選ぶ

根菜類など歯ごたえのあるものを積極的に取り入れましょう。
柔らかく、噛み応えのない食べ物には、歯ごたえのある食材をプラスしましょう。

具材は大きめに切る

野菜は繊維に沿うように切るとしっかり噛まなければならなくなるため、咀嚼回数が増えます。

調理方法を工夫

柔らかく調理してしまうと咀嚼回数は減ってしまいます。
野菜は火を通すより生、肉や魚は煮るより焼く、など歯ごたえがしっかり残る調理方法を選ぶと良いでしょう。

一口の量を減らす

量にかかわらず、一口で噛む回数はそんなに変わりません。一口の量を減らせば食事1回で噛む回数が増えます。

薄味にする

味の濃いものは、味覚を感じやすく、すぐ舌が満足してしまいます。薄味にすることで、より味わおうとするようになるため、噛む回数が増える傾向にあるようです。

食事時間に余裕を

忙しい毎日、時間に追われると、つい早食いになってしまうものです。
食事の時間をゆっくり取るようにしましょう。噛む回数が増えれば、その分食事時間も延びます。

噛むことでいろいろな良い効果があるとわかっていても、習慣になってしまったものを変えるには時間が必要です。

焦らずにまずはいつもの咀嚼回数プラス10回くらいから始めてみましょう。
時間に余裕のある食事の時だけでも意識してみるといいですね。

今日も一生健命  竹田