2025年5月29日木曜日

リンパが腫れたとき

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

5月も終わりに差し掛かり、もうすぐ6月です。気温や湿度で体調を崩しやすい時期です。体調管理に心がけましょう。

今日はリンパ節の腫れについてお話します。

リンパの腫れ(リンパ節腫脹)は、体内のリンパ節が感染症や炎症、がんなどを原因として腫れる症状です。原因によって、痛みや熱を伴う場合や、そうでない場合があります。

体には血液の流れの他にリンパ液の流れが存在します。 リンパ液とは、血液の一部が末梢の毛細血管などから分岐したもので、細胞成分は主にリンパ球などの免疫細胞から成ります。リンパ液はリンパ管を通って最終的には静脈血に合流し全身を巡ります。

リンパ節とは

リンパ節とは、リンパ管の途中にあり、リンパ液が流れる豆のような形の小さな器官です。免疫機能に関わる器官で、リンパ液の中に含まれる異物(細菌、ウイルス、がん細胞など)をろ過したり、免疫細胞を貯蔵したりする働きがあります。

場所

リンパ節は全身に点在していますが、特に首やわきの下、鼠径部(股)などに多く分布しています。また、リンパ管が枝分かれする部位に集中しており、首や脇、股のところに多く点在しています。





リンパ節腫脹

リンパ節腫脹とは全身のリンパ節の一部が1cmを超えて腫大することを指します。体の表面にあって触れやすい頸部・腋窩・鼠径部などの腫れは自身で気付くことができますし、体の深部にあるリンパ節の腫大をCTなどの画像で指摘される場合もあります。


腫れの原因は


感染症によるもの

細菌やウイルスなどの感染症が原因の場合、数日間のうちに急にリンパ節が腫れて痛みを伴います。多くの場合、自然に良くなったり、治療で腫れが引いていったりします。原因となる主な感染症として、伝染性単核症、サイトメガロウイルス感染症などが挙げられますが、結核などは慢性に経過します。また、リンパ節自体が炎症を起こすリンパ節炎が原因となる場合があります。


自己免疫疾患によるもの

自己免疫疾患による腫脹は、壊死性リンパ節炎、全身性エリテマトーデスや成人スティル病などでよく見られる症状です。ほかにも、関節リウマチやシェーグレン症候群などで時々起こります。自己免疫疾患の治療薬が原因でリンパ節腫脹が起こる可能性もあります。


悪性疾患によるもの

悪性疾患では、悪性リンパ腫や多発性骨髄腫、がんの転移が原因で腫脹が見られます。痛みがなく、数週間から数ヶ月のペースでゆっくり腫脹する場合は、悪性疾患を疑うことが多いです。


治療

原因となる疾患を治療することで、リンパ節腫脹も炎症が原因の場合は、炎症を抑える治療として抗生剤や抗炎症剤を使用します。
短期間ステロイドを使用することもあります。多くの場合、1~2週間で改善が見られることが多いです。
悪性疾患の場合は、原因に合わせてガイドラインに沿った治療を行います。


原因不明の高熱が何日も続いたり、リンパ節がひどく傷む場合などは、無理せず医師に相談するようにしましょう。


今日も一生健命 竹田