2025年4月17日木曜日

香りと健康の関係

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。4月も中旬に入り、新生活をはじめた方も徐々に慣れてきた頃でしょうか。疲れが出やすい時期でもあるので、休息をしっかりとるようにしましょう。


香りの健康被害として問題になっている「香害」を知っていますか?
香害とは、香水や柔軟剤などの合成香料によって不快感を覚えたり、気分が悪くなったりする健康被害のことです。
SNSなどで「香害」という言葉を見かけた人も多いのではないでしょうか。自分ではいい匂いだと思っても、周囲に不快感を与える香りもあります。人によっては頭痛や吐き気など体調不良につながることもあるので注意が必要です。

2020年、国民生活センターは柔軟剤のにおいによる健康被害を訴える相談が2014年以降928件(78%が30~60歳の女性)も寄せられたと報告しています。そのことだけから考えても、香害被害者が増加していることは明らかです。


「香害」で特に問題なのは、においに対する個々人の感性が異なるため、周囲の理解を得ることが難しい点です。特定の製品のにおいで体調不良を起こしたと訴えても、香りは「好みの問題」「感覚の違い」「過敏な人だから」などの理由で問題にされないことが多いのです。


香料が使われている製品の例

衣類の防虫剤、柔軟剤、洗剤、香水、整髪料、制汗スプレー、除菌・抗菌スプレー、芳香剤など



対策

人それぞれ香りの感じ方が違うことを念頭に置いて、使用する柔軟剤や化粧品を選びましょう。服についた柔軟剤の匂いで気分が悪くなった経験がある方は、なるべく無香料の商品を選ぶのがおすすめ。自らが加害者にならないためにもセルフケアから始めてみましょう。

なかでも香水は香料が含まれる商品で、人それぞれ香りの好みが分かれるため、付け過ぎに注意するなど周りへの配慮が必要になります。

香料を含む製品を使う場合には、使用量を守るよう注意しましょう。 また、大勢の人が利用する場所や施設に出かけるとき、公共の乗り物を利用するときなどは、香料を含む製品の使用を控えるなどの配慮をお願いします。

定期的に換気する

密閉空間で過ごす場合は、定期的に換気することで香りがこもるのを防ぎましょう。とくに集合住宅は空気が逃げにくい構造で、空気中の化学物質の量が多くなる傾向にあります。そのため、換気によって空気を入れ替えることが重要です。

香水や柔軟剤など香料が含まれた商品の使用を規制することも難しいので、なるべく香りを感じない環境を作りましょう。1時間に1回は換気を行うことがおすすめ。体調の異変を感じる前に積極的に換気を行いましょう。

今日も一生健命 竹田