2018年1月19日金曜日

肺炎に気をつけよう

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

まだまだ寒い日が続いていますね。来週は強い寒気がやってくる予報ですので、体調管理に気をつけましょう。インフルエンザも流行が続いているようです。感染に注意しましょう。

今日は肺炎についてお話します。

厚生労働省の資料によれば、2011年には脳梗塞などの脳血管疾患を抜いて、日本人の死亡原因の第3位になっています。
肺炎といえば、一般に「風邪をこじらせたりしたときに、起こりやすい病気」と思われがちです。たしかに、発熱、悪寒、咳、痰など、典型的な初期症状は風邪とよく似ています。






しかし、肺炎は風邪とは違って、からだの抵抗力(体力や免疫力)が低下したときに、細菌やウイルスに感染することによって起こる病気です。
もっとも多くみられるのは、肺炎球菌による感染で約30%を占めていますが、そのほかインフルエンザ、マイコプラズマ、クラミジア、ストレプトコッカス、黄色ブドウ球菌など、多くの原因となる菌があります。
こうした細菌やウイルスには、普通の風邪薬は効かないので、風邪くらいと思って油断して放置していると、急速に悪化して呼吸困難を引き起こし、死にいたることもあるので十分な注意が必要です。

症状は?

  • 高熱
38度以上の高熱が出ます。ただし、高齢者の肺炎の場合は、熱が出ないこともあります。
  • 咳・痰
激しい咳が出ます。非定型肺炎の場合は、痰を伴わない乾いた咳が長く続くことが多く、細菌性肺炎の場合は、黄色や緑色を帯びた痰を伴う湿った咳が出ることがあります。
病原微生物の種類や炎症の場所によって異なるので、適切な治療を受けるためにも、痰の色や粘性などは医師に伝えましょう。
  • 呼吸困難
血液の中の成分や細胞内液が染み出て肺胞の中に水がたまり、胸が苦しくなることがあります。重症になると、血液の中の酸素が不足して、顔や唇が紫色になるチアノーゼが現れることもあります。
  • その他
食欲不振、倦怠感や悪寒、筋肉痛、関節痛、頭痛などの症状が出ることがあります。また、呼吸数や脈が早くなります。


治療は?

  • 薬物療法
病原微生物を死滅させる抗菌薬が中心です。
その他、さまざまな症状をやわらげるために、咳を鎮める鎮咳薬、熱を下げる解熱薬、痰を出しやすくする去痰薬、息苦しさや咳をやわらげる気管支拡張薬などが、症状に応じて処方されます。


日常生活の中で心がけること

  • かぜやインフルエンザを予防しましょう
肺炎の多くは、かぜやインフルエンザにかかったあとに起こります。まずは、かぜやインフルエンザにかからないよう、うがいや手洗い、マスクなどの予防をしっかり行いましょう。インフルエンザワクチンの接種も有効です。
もしかぜやインフルエンザにかかってしまったら、こじらせて肺炎にならないよう、早めに病院・診療所を受診し、医師の指示に従いましょう。
  • 体調管理に気をつけましょう
不規則な生活やストレス、疲労などは、免疫力を低くします。日頃から規則正しい生活を送り、十分な休養と栄養バランスのとれた食事を心がけましょう。
  • 肺炎球菌ワクチン
肺炎球菌の感染を予防するワクチンがあります。高齢者や慢性の病気を持っている方は、医師に予防接種の相談をしてみるのも良いでしょう。

  • 肺炎が疑われたら早めに受診を
肺炎は、早期発見・早期治療が何より重要です。高熱や咳が続いたり、黄色っぽい痰が出る時は肺炎が疑われますので、できるだけ早く病院・診療所を受診し、適切な治療を受けてください。


今日も一生健命  竹田