2017年4月21日金曜日

鉄欠乏性貧血について

みなさん、こんにちは。

保健師 竹田です。

桜も満開になったと思えばもう葉桜になってしまいましたね。

早いもので、次はゴールデンウィークへ気持ちが向いています。

天気が良ければつつじを観にいきたいな、と思っています。



今回は女性に特に多い貧血についてお話します。

貧血とは血液中の赤血球数またはヘモグロビン量が正常以下となり、酸素運搬能力が低下した状態です。

出血や栄養不足、骨髄の造血機能低下、溶血などさまざまな原因によって起こります。


貧血の種類

・鉄欠乏性貧血
・失血性貧血
・再生不良性貧血
・続発性貧血
・腎性貧血
・溶血性貧血

今回は貧血の中でも一番多い鉄欠乏性貧血について詳しくお話します。

鉄欠乏性貧血

鉄欠乏性貧血とは、貧血になる人の70%程度が、この貧血になっているとも言われています。この鉄欠乏性貧血は、血液中の赤血球を作る為に必要な鉄分の不足が原因で起こる貧血です。

鉄欠乏性貧血になる原因としては、基本的に食事での鉄分不足であったり、胃腸などの病気で出血をしている場合、生理での出血が原因と言ったような事が原因で起こります。

症状


貧血の代表的な症状といえば「だるい」「めまいがする」「動悸や息切れ」などがありますが、鉄欠乏性貧血の特徴的な症状として以下のものがあります。

  ・煎餅など硬いものを大量に食べたくなる(異食症)
  ・爪がスプーン状に反り返る
 ・舌の表面がツルツルになる
  ・酸味がしみる
  ・肌がカサカサになる
  ・抜け毛や枝毛が多くなる
  ・口内炎・口角炎になりやすくなる
  ・食べ物が飲み込みにくくなる

鉄が不足する原因


偏食

鉄はヘモグロビンを作るために必要な成分です。食事で体内に摂取され肝臓や脾臓に貯蓄されています。
しかし、一回の食事で摂取できる鉄分の量は10mg程度、そのうち吸収されやすいヘム鉄は30%、非ヘム鉄は10%程度しか吸収することができません。食べる量が少なければすぐに鉄不足となりヘモグロビンの産生量が減るということです。

一回の食事量が少ない女性がヘム鉄を含む肉類を避けた食事をしていると、吸収できる鉄分はほとんどありません。お菓子やインスタント食品で食事を済ませている人も同じです。

出血

鉄は摂取される量と自然に排出される量が微量でほとんど同じなので、体内で一定量がぐるぐる循環されていることになります。
しかし、痔・月経・出産・外傷・慢性出血などにより血液が失われると、鉄分は一気に少なくなってしまいます。子宮筋腫や胃炎など、自分では気が付きにくい内臓の出血により、知らないうちに鉄が失われて貧血になっている人もいます。

また、激しい運動や長時間の歩行でも、消化器官や対表面で赤血球が壊れやすく、ヘモグロビンが尿の中に排出されるため鉄不足の原因となります。

鉄分不足を改善する生活習慣とは


まず行わなければならないのは鉄を積極的に摂る事です。その基本となるのは普段の食事であり、鉄を多く含む食物を摂る必要があります。
食事で十分な効果が得られない時には鉄剤を服用して鉄を補給します。

食事療法で重要なポイントは、鉄分だけを偏って摂るのではなく、血液の材料となるタンパク質や鉄分の吸収をよくするビタミンCなど、栄養のバランスがとれた食事を心掛けることです。


胃腸の調子が悪いと鉄の摂取も低下する


バランスのよい食生活と同じくらい大切なのが、胃腸の健康管理です。
アルコールの飲み過ぎや過食、ストレスなどによって胃腸に負担をかける生活を続けていると、胃腸の働きが低下し、鉄などの栄養素の吸収もうまくいきません。
胃腸の健康を維持するためには、暴飲暴食を避けるようにしましょう。

また食事以外の留意点としては、生活が不規則にならないようにし、負担にならない程度の軽い運動や睡眠時間を十分にとることです。

鉄欠乏性貧血は、鉄を含むバランスのとれた食事と規則正しい生活習慣を守る事でかなり改善できる、治しやすい貧血なのです。

貧血の症状に注意し、規則正しい生活を送りましょう。

今日も一生健命  竹田