2019年11月13日水曜日

サルコペニア

こんにちは、山内です。

少しずつ寒くなってきました。

今週は糖尿病週間で、当院の外来でも資料の掲示などをしております。
興味のある方はお立ち寄り頂ければと思います。

加齢に伴ない、さまざまな身体能力や認知機能が低下します。

それにより、要介護状態に至る可能性も高くなります。

『サルコペニア』『フレイル』について最近注目されています。

サルコペニアは【加齢や疾患などにより筋肉量が減少し、筋力低下や身体機能の低下が起こること】です。

また、フレイルは【加齢に伴い健常から要介護へ移行する中間の段階で適切な支援で健常に戻りうる状態】です。



高齢者に多い疾患とサルコペニアの関連について、
【認知症】
〇認知症によるかづとう減少や低栄養状態が、サルコペニアの原因となります。

〇サルコペニアによる活動量減少は認知症のリスクを上昇させます。

【糖尿病】
〇糖尿病患者さんでは、インスリン作用不足や神経障害などにより筋肉量や筋力が減少し、サルコペニアの原因となります。

〇サルコペニアによる筋肉量減少はインスリンや抵抗性や活動量減少から糖尿病のリスクを上昇させます。

【骨粗鬆症】
〇骨粗鬆症により骨折を起こすと、活動量が著しく低下し、サルコペニアの原因となります。

〇サルコペニアによる活動量の低下は、骨量低下を招き、骨粗鬆症の原因となります。

【心不全】
〇心不全では、入院や安静状態の頻度が高く、容易にサルコペニアを引き起こします。

〇サルコペニアでは酸化ストレスや炎症性サイトカインが増加し、心疾患のリスクを上昇させ、心不全増悪因子ともなります。


サルコペニアの予防には、運動と栄養が重要です。

サルコペニアの予防は、フレイルの予防と似ています。

運動については、歩行などの有酸素運動に加えて、筋力増強運動を週2~3回の頻度で3ヶ月以上継続する事が大切です。

栄養については、たんぱく質やアミノ酸が多く含まれる肉や魚、大豆、牛乳などの摂取が非常に大切です。
たんぱく質は、骨格筋の貴重な原料になります。
たんぱく質を中心にしっかり栄養を摂取して適度な体重を維持しましょう。
魚に多く含まれるビタミンDの摂取とビタミンD生産に作用する日光浴も効果的です。

サルコペニアは、生活習慣病の改善で十分予防できます。

運動と食事の両方の生活習慣を見直しましょう。

それでは、またよい1日を。山内