2018年6月8日金曜日

食中毒予防のノウハウ

皆さん、こんにちは。
保健師 近藤です。

6月14日からワールドカップが始まります。監督が変わったりと大変だと思いますが、チームジャパンで、一致団結し予選リーグ突破してもらいたいですね。
西条出身の長友選手も活躍してもらいたいです。



春から夏にかけて日ごとに暖かくなり、レジャーやイベントなど、アウトドアで調理したり、飲んだり食べたりする機会が増える時期でもあります。そんなときに注意したいのが、食中毒です。
梅雨に入り、ジメジメシーズン到来です。これからの高温多湿となる梅雨の時期から残暑の頃にかけては、細菌の増殖が活発になるため、細菌による食中毒が発生しやすくなります。
 食中毒の原因となる細菌は、サルモネラ、黄色ブドウ球菌、ウェルシュ菌など種類はたくさんありますが、発生件数が多かったり、乳児の重症化した事例が起きたりしているのが、O-157やO-111で知られる「腸管出血性大腸菌」や「カンピロバクター」です。抵抗力の弱い子どもや妊婦、高齢者の人は重症化する場合もあるので、注意が必要です。

よく聞く細菌とウイルスの特徴を書いておきます。
○サルモネラ
・潜伏場所   : 人や家畜など広く分布
・主な原因食品: 鶏卵や食肉
・症状      : 悪寒・嘔吐から始まり、腹痛、38度前後の発熱など。

○腸炎ビブリオ
・潜伏場所   : 海産性の魚介類など
・主な原因食品: 魚介類やその加工品、二次汚染された食品
・症状      : 下痢、腹痛、吐き気、嘔吐など。発熱はほとんどない。

○病原性大腸菌(O157もこの一つ)
・潜伏場所   : 主に牛の腸管
・主な原因食品: 牛の糞便によって汚染された食肉やその加工品、井戸水など
・症状      : 発熱、激しい腹痛、水溶性の下痢、血便、吐き気、嘔吐 など。 

○ノロウイルス
・潜伏場所   : ヒトの腸管内やカキなどの貝類内
・主な感染経路: カキなどの貝類、調理従事者を介入して二次汚染された惣菜など
・症状      : 吐き、嘔吐、下痢、腹痛。発熱や頭痛、筋肉痛を伴うことも。症状は1~3日続く。 



食中毒は、アウトドアだけでなく家庭でも発生します。
「(細菌を)つけない」「増やさない」「殺す」が、食中毒予防の三原則と言われます。

■細菌性食中毒の予防のポイント

•細菌が増殖しないよう低温保存(10℃以下)に努める。
•抵抗力の弱い、乳幼児やお年寄りなどは特に注意する。
•食材にさわる前、さわった後は手をよく洗う。
包丁やまな板などは食品によって使い分け、清潔に使う。

■バーベキューなどで生肉、生レバー、生魚介類中毒予防のポイント

•食肉や生魚を加熱不十分な状態で食べない。生野菜などにはくっつけない。
細菌・ウイルス・寄生虫は加熱により死滅します。食肉や内臓などは、中心部まで十分に加熱する。
•生ものを扱ったトング、箸などは、焼き上がった肉やサラダなどを食べるときは使わない。


細菌が付着した食べ物を食べても、食中毒になる人とならない人がいます。これは、免疫機能の違いによるものです。人は、悪影響を及ぼす菌などを撃退する免疫力を備えており、乳幼児やお年寄りなど免疫力が弱い人やお腹の調子が悪い人は、中毒を起こしやすくなります。日頃から免疫力を強くし、食中毒にかかりにくい身体つくりをすることも大事な予防法の一つです。 

免疫力のカギを握るのが、腸です。腸には、体内の免疫細胞の約6割が集中しているといわれています。健康的な腸内環境は、ビフィズス菌や乳酸菌などの善玉菌が活発に機能しており、悪玉菌などがあまり活動していない状態です。善玉菌は乳酸や酢酸などを生み出し、腸内を酸性にします。これが悪玉菌の増殖を抑えて腸の運動を活発にし、食中毒菌や病原菌による感染を予防するほか、発がん性物質を抑制する腸内環境をつくります。腸内の善玉菌を増やすのに効果的なのが野菜です。とくに「食物繊維」の豊富なさつまいも・切り干し大根・かぼちゃ・ごぼう・たけのこ・ブロッコリー・モロヘイヤなどはオススメです。

腸内環境を整えるに興味のある方は、【2017/06/30】を参考にして下さい。
腸内環境を整えて、元気に過ごしましょう。

では、良い週末をお過ごし下さい。
次回までSee you again!!